コラム
2026.01.30
客単価について解説!売上アップ分析や秘訣とは
- 基礎情報
飲食店経営において「売上を伸ばしたい」と考えたとき、客数を増やすことと同じくらい重要なのが客単価の向上です。しかし、無理な値上げはお客さま離れを招くリスクもあり、加減が難しいと感じる経営者の方も少なくありません。
本記事では、客単価の正しい計算方法や業態別の相場といった基礎知識から、心理学を活用したメニュー構成、現場ですぐに使える接客術まで徹底解説します。単なる平均値の罠に惑わされず、利益をしっかり残せる「儲かる店」の体質を作るための具体的なステップを見ていきましょう。
客単価とは
客単価とは、来店したお客さま1人あたりの平均購入額を指します。算出式は「売上高÷客数」であり、飲食店の収益性を測る最も基本的な指標の一つです。例えば、売上高が100万円で客数が1,000人の場合、客単価は1,000円となります。客単価を正しく把握することで、メニューの価格設定や接客の改善点が明確になります。まずは自店舗の現状を知ることが、儲かる店作りの第一歩です。
客単価の相場と低い要因
客単価の相場は、業態やサービスの質によって大きく異なります。例えば、カフェなら600円〜1,300円、居酒屋なら3,000円〜5,000円程度が一般的な目安です。自店舗の平均客単価が相場を下回る場合、メニュー構成やオペレーションに課題があるかもしれません。客単価が低くなる要因を特定するためには、数値を構成する要素や、店舗が陥りやすい負のパターンを分析する必要があります。
客単価の背景には、注文数と商品単価という2つの変動要因が存在します。お客さまが1回の来店で何品注文し、それぞれの品がいくらであるかの掛け合わせで総額が決まるためです。例えば、メイン料理を1,500円に値上げする、300円のサイドメニューを追加注文してもらえるようにする、など客単価向上のやり方はいくつか存在します。こういった構造を理解すると、やみくもに値上げをせずとも客単価をコントロールできるようになります。
客単価を構成する「注文点数」と「購入支持率」
客単価を詳細に分析する際は、注文点数と購入支持率を指標として使い分けましょう。
| 指標 | 意味 | 計算式 | 改善の方向性 |
| 注文点数 | 1人あたりの注文点数 | 総注文数 ÷ 客数 | セット販売やサイドメニューの強化 |
| 購入支持率 | 100人あたりの購入点数 | (特定商品の販売数 ÷ 客数) × 100 | メニュー配置や写真による訴求力アップ |
どちらの数値が低いかを知ることで、価格を上げるべきか、注文点数を増やすべきかが明確になります。まずはPOSデータ(販売時点情報管理)を活用し、自店舗の現状数値を正確に計算してみましょう。
注文点数が少ない場合は、「メイン料理のみで満足しているお客さまが多い」という仮説が立てられます。ドリンクやデザートのセット販売を強化し、1品あたりの単価を変えずに注文点数を増やす施策を試してみましょう。購入支持率が低い場合は、メニューが埋もれている可能性があります。看板商品の購入支持率を高めることで、効率的に売上を伸ばせます。
注文数多・単価安の薄利多売タイプ
薄利多売タイプとは、注文数は多いものの商品単価が低いために利益が残りにくい状態を指します。なぜなら、注文数が増えるほど現場の負担が加速度的に増加し、人件費などの経費が利益を大きく圧迫するからです。客数は多く一見すると繁盛しているように見えますが、損益分岐点ギリギリの経営になりやすい特徴があります。
具体例として、100円のメニューが10点売れるのと、1,000円の料理が1点売れる場合を比較してみましょう。売上高はどちらも同じ1,000円ですが、前者は10回分の注文確認や配膳の手間、さらに付随作業が発生します。このように、品数が多すぎるとオペレーション効率が悪化し、結果として1人あたりの生産性が低下してしまいます。
したがって、忙しいのに儲からない状況を脱却するためには、1品あたりの単価と粗利のバランスを再考すべきです。無理な低価格設定はスタッフの疲弊を招くだけでなく、結果としてサービスの質を下げるリスクもあります。「たくさん売ること」よりも「利益を残すこと」に意識を向け、客単価の質を改善することが重要です。
単価高・注文数少の機会損失タイプ
単価高・注文数少のタイプは、1品の価格設定が高い一方で、追加注文が発生しにくい機会損失タイプと言えます。高価格なメニューばかりが並んでいると、お客さまが予算を気にして最低限の注文で済ませてしまうからです。客数は確保できても、追加売上を逃しており、非常にもったいない状態にあると言えるでしょう。
例えば、1,800円のメイン料理しかないお店では、300円のドリンクを頼むのをためらう場合があります。合計金額が2,000円を超える心理的なハードルが高くなり、単品だけで終わるケースが多いです。注文点数が伸びないことで、本来得られるはずの売上ポテンシャルを十分に活かしきれていない状態に陥っています。
このタイプを改善するには、追加注文を促す低単価なサイドメニューの充実が重要です。メイン料理が高いからこそ、追加の1品は頼みやすい価格に設定し、全体の注文数を増やす工夫が求められます。客単価の内訳を分析し、高単価を維持しながら品数を伸ばすことができれば、店舗全体の売上高を効率よく最大化できます。
目標客単価の設定と目安
目標客単価は、店舗の損益分岐点から逆算して設定するのが基本です。売上目標を客数で割るだけでなく、残したい利益から逆算することで、経営の安定につながるからです。立地や業態によって適正値は異なりますが、近隣の競合店を調査して市場相場を把握することも欠かせません。
一般的な飲食店の客単価の目安は、ランチタイムでディナーの3分の1から2分の1程度といわれています。
・ディナー目標4,000円の場合:ランチ目安1,200円〜1,500円
・ディナー目標10,000円の場合:ランチ目安3,000円〜5,000円
高すぎると客数が減り、低すぎると利益が出ないため、顧客満足度とのバランスを見極める必要があります。具体的には、メイン商品の価格にドリンクや副菜の期待値を加算して目標を立てましょう。実際のPOSデータ(販売時点情報管理)と照らし合わせ、定期的に軌道修正を行うことが重要です。
客単価の基本計算式と応用分析

客単価を正しく管理するためには、単なる平均値だけでなく多角的な分析が必要です。基本的な計算方法を理解した上で、時間帯や利用動機などの切り口で細分化して捉えることが売上改善の鍵となります。POSデータを活用した応用分析を行うことで、数値に隠れた課題や機会損失を見つけ出せるようになります。まずは客単価算出の土台となる計算式と、分析の精度を高める手法について詳しく見ていきましょう。
客単価の計算式
客単価を算出する際、以下の2つの視点を使い分けると改善策が具体的になります。
| 種類 | 計算式 | 分析の目的 |
| 基本式 | 売上高 ÷ 客数 | 全体的な収益性の把握 |
| 応用式 | 平均商品単価 × 平均注文点数 | 単価アップか品数アップかの戦略決定 |
例えば、1日の売上高が15万円で客数が50人の場合、客単価は3,000円です。応用式を使えば、この3,000円が「単価1,000円の商品を3つ選んだ結果」なのか、「3,000円のコース1つ」なのかを区別できます。POSデータの売上内訳を確認し、どちらの要素に伸び代があるかを検討してください。どちらの数値を重点的に改善するか決めることで、改善施策の精度が飛躍的に向上します。
時間帯別・曜日別の分析
客単価は時間帯や曜日によって大きく変動するため、顧客層と注文された商品を細かく分析する必要があります。一律の平均値だけを見ていると、特定の時間帯に起きている課題やチャンスを見逃すからです。
(例)
・平日ランチ:回転率重視で、選ぶ手間を省くセットメニューが主体
・平日ディナー:仕事帰りのお客さまによるアルコールや一品の追加注文が多い
・休日:家族連れやグループ客が多く、大皿料理やデザートが選ばれている傾向にある
曜日の特性を掴むと、仕込み量や人員配置の最適化にもつながります。時間帯別の分析は、売上が低い時間帯の客単価アップにも役立ちます。特定の時間だけカフェメニューを充実させるなど、柔軟な対策が打てるからです。POSデータを活用して曜日ごとの傾向を可視化し、全体の底上げをめざしましょう。
利用動機別の適正値
お客さまの利用動機に合わせて適正な客単価を設定することで、満足度と売上を両立できます。
| 利用動機 | 予算の目安 | 重視されるポイント | 価格戦略 |
| 日常食(クイック) | 1,000円前後 | 提供スピード・手軽さ | セットメニューでオペレーションを効率化する |
| カジュアルな会食 | 3,000円〜5,000円 | 居心地・メニューの豊富さ | 飲み放題や複数の一品料理を提案 |
| ハレの日(記念日) | 8,000円以上 | 演出・特別感・接客品質 | 高単価コースや希少な食材の訴求 |
日常使いの店で高額コースしかないとリピーター獲得は難しく、記念日の店で安すぎると特別感がなく物足りなさを与えます。POSデータを分析し、自店舗がどのような動機で選ばれているかを確認しましょう。お客さまが「この内容なら妥当だ」と納得できる、値ごろ感のある価格設定をめざすことが大切です。
全体平均の危険性と平均の罠
全体平均の客単価だけに頼ることは非常に危険です。極端に高い売上や低い数値が平均値を大きく動かし、現場の実態を隠してしまうからです。
具体例として、以下の2パターンを比較してみましょう。
・A組:1万円の宴会客1組
・B〜J組:1,000円の単品客9組
この場合の平均客単価は1,900円となります。しかし、実際には9割のお客さまが1,000円しか使っておらず、単価アップの余地が見過ごされています。一部の突出したデータが全体像を歪めてしまうのが「平均の罠」です。数値の偏りを防ぐには、平均値だけでなく中央値(全データを並べた真ん中の数値)を活用し、より多くのお客さまが実際に支払っている金額を把握しましょう。
客単価アップの具体的施策【メニュー編】

メニューの見直しは、客単価アップに直結する最も即効性のある施策です。メニューはお客さまが注文を決める際の唯一の判断基準であり、心理的な誘導がしやすいからです。デザインや掲載順序を工夫するだけで、注文点数や選ばれる商品の単価を自然に引き上げることが可能になります。視覚的な法則や価格設定のテクニックを取り入れ、利益率の高い商品へ誘導する仕組みを構築しましょう。
視線誘導とZの法則・松竹梅の法則
視線誘導には、人の視線が「Z」の形で動く法則を活用しましょう。左上→右上→左下→右下の順に(Zを描くように)目が動くため、配置を最適化することで注文率をコントロールできます。
・左上:最も売りたい看板メニューや高利益商品を大きく配置
・右上:次に注目させたいおすすめ商品や季節メニュー
・中央:3段階の価格設定における「本命」の商品
・末尾:サイドメニューやデザートなどの「追加注文」を狙う商品
価格設定には、松竹梅の法則を活用します。2,000円、3,500円、5,000円の3つの選択肢を設けると、人は極端な選択を避け、真ん中の3,500円を選びやすくなります。あえて高額な選択肢も用意することで、結果的に全体の単価を底上げできる仕組みです。
セットメニューとアンカリング効果
アンカリング効果を活用すれば、お客さまが感じる商品の値ごろ感を意図的に調整できます。最初に見た数値がその後の判断基準になる心理を活かし、1万円の特選コースを最初に提示することで、5,000円の通常コースを割安に感じさせることが可能です。
セットメニューの導入は、注文点数を確実に増やすための有効な手法です。
・例:1,200円のメイン + 300円のドリンク = 合計1,500円
・改善:上記を「1,400円のお得セット」として販売
お客さまは「100円分お得だ」と判断するため、自然と支払総額が増加します。品書きで「単品の合計より〇〇円お得」と明示するだけで、セットが選ばれる確率はかなり高まります。指標となる高額商品を配置しつつ、お得なセットで注文率を高めることが売上向上の鉄則です。
写真・配置などメニューブックの工夫
メニューブックには高品質な写真を掲載し、視覚的な訴求力を高めることが重要です。人は文字よりも画像から情報を得るスピードが圧倒的に早いため、写真付きのメニューは注文率が2倍程度になる傾向があります。特に売り出したい主力商品は、他の項目よりも大きく掲載してメリハリをつけましょう。色使いやフォントも、店舗のコンセプトに合わせて工夫が必要です。
・高級感:余白を多めに使い、落ち着いたフォントを選択
・カジュアル:賑やかな配置と明るい色使いで活気を演出
メニューブックは注文を決めるツールであると同時に、店舗の魅力を伝える役割も担っています。読みやすさと視覚的な楽しさを両立させ、自然と追加注文をしたくなる構成をめざしましょう。
客単価アップの接客術【ホール編】

スタッフによる接客は、お客さまの注文を直接促すための重要な役割を担います。適切なタイミングでの声掛けは、顧客満足度を高めつつ客単価を引き上げる効果があります。
二者択一法のトークスクリプト
二者択一法とは、お客さまに2つの選択肢を提示して選んでもらう接客技術です。
・NG例:「お飲み物はいかがですか?」
・OK例:「生ビールとハイボール、どちらになさいますか?」
このように聞かれると、お客さまの思考は「飲むか飲まないか」ではなく「どちらを飲むか」に切り替わります。
ファーストドリンクと一品の同時提案
来店直後の空腹状態は、追加注文への心理的ハードルが最も低いため、ドリンクと同時にすぐ提供できる一品料理を提案しましょう。
・提案例:「お飲み物をお持ちする間に、すぐ出る枝豆はいかがですか?」
この手法は提供スピードの向上にもつながり、お客さまのストレスを軽減できます。POSデータを分析して注文率の高いスピードメニューを選定しておくと、現場での提案が容易になります。
滞在時間と追加注文のバランス
滞在が長すぎると回転率が落ち、短すぎると注文機会を逃すため、バランス管理が不可欠です。
・飲み物が空いた瞬間:「次のお飲み物はいかがですか」
・料理がなくなったタイミング:「追加のご注文や、食後のデザートはいかがですか」
グラスが空いた瞬間は、お客さまが次の行動を決める重要な局面です。この些細な気配りの積み重ねが、1人あたりの単価を着実に引き上げます。時間帯や混雑状況に応じて接客を使い分け、効率よく売上を最大化させましょう。
利益を残す数値管理
客単価を上げるだけでは、必ずしも手元に残る利益が増えるとは限りません。売上高から食材費や人件費を差し引いた実質的な利益を把握することが不可欠だからです。数値を管理する際は、FLコストやリピート率といった指標と組み合わせて分析しましょう。
客単価と原価率・FLコスト
客単価を追求する際は、常に原価率とのバランスを意識する必要があります。
| 店舗タイプ | 客単価 | 原価率 | 粗利額 | 評価 |
| 高単価・高原価 | 3,000円 | 50% | 1,500円 | 忙しい割に利益が少ない |
| 中単価・低原価 | 2,500円 | 30% | 1,750円 | 効率よく利益が残る |
飲食店経営では、FLコスト(食材費+人件費)を売上の60%以内に収めるのが目安です。客単価を上げるために調理工程を増やすと、人件費が膨らみ利益を削る原因となります。原価の低いドリンクやサイドメニューを戦略的に組み込み、全体の利益率を調整しましょう。
実質客単価とLTVの考え方
1回の支払い額だけでなく、LTV(顧客生涯価値)の視点で収益を評価しましょう。
| 顧客タイプ | 客単価 | 来店頻度 | 年間売上 |
| 一度きりの高額客 | 5,000円 | 年1回 | 5,000円 |
| 常連のファン客 | 3,000円 | 月1回(年12回) | 5,000円 |
無理な単価アップはお客さまの離脱を招き、新規獲得のために「5倍のコスト」がかかるようになります。1回あたりの単価が少し低くても、何度も足を運んでくれるファンを増やす方が経営は安定します。客単価の改善は、LTVを損なわない範囲で行うのが鉄則です。
リピート率維持と単価アップの両立
客単価アップとリピート率の維持は、安定した経営基盤を築くための両輪です。価格を上げる際は、期間限定メニューや希少な食材を用いたプレミアムな提案など、それに見合う付加価値を提供しましょう。満足度を損なわずに単価を高める工夫こそが重要です。信頼関係が構築できていれば、少し高価な提案でも受け入れてもらえるようになります。
まとめ:正しい客単価計算で「儲かる店」の特性を作ろう
本記事では、客単価の計算方法や売上を最大化するための具体的な施策について解説しました。客単価は店舗の収益性を左右する重要な指標であり、正しく分析することで経営の課題が明確になります。
重要なポイントをおさらいします。
・客単価の基本式と応用式を使い分け、現状を正確に把握する
・メニューの視線誘導や松竹梅の法則を用いて自然な注文を促す
・接客での二者択一法や同時提案により、プラス一品の注文をめざす
・原価率やLTVを意識し、顧客満足度と利益のバランスを保つ
これらを実践することで、数値に基づいた根拠のある店舗運営が可能になります。まずは自店舗のPOSデータを確認し、どの項目から改善できるか検討してみてください。
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・動画による魅力的なメニュー訴求による客単価アップ
・「おかわりドリンク」の表示で追加注文を促す
・LINE連携による販促でリピーター率向上
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