コラム
2025.12.23
意外と知らない領収書の正しい書き方!但し書き・収入印紙・保管ルールを網羅
- 基礎情報
経費精算や確定申告の時期になると、領収書の扱いに迷うことはありませんか?
正しい知識がないまま処理をしてしまうと、経費として認められなかったり、税務調査で指摘を受けたりするリスクがあります。特に近年は電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入により、ルールが複雑化しています。
この記事では、意外と知らない領収書の正しい書き方から、収入印紙のルール、インボイス対応、保管方法までを徹底解説します。
領収書とは
領収書とは、商品やサービスの対価として金銭の授受が行われたことを証明する書類です。民法第486条における「受取証書」に該当し、支払いが完了した事実を客観的に確定させることで、二重請求や過払いを防ぐ役割を果たします。経理実務においては、「いつ・誰に・何を・いくら支払ったか」を記録するために不可欠なものであり、税務調査などの際には、その支出が架空ではなく正当な経費であることを証明する重要な証憑書類として扱われます。よく比較される「レシート」との主な違いは宛名の有無ですが、税法上はどちらも有効な書類として認められています。むしろ、品目や消費税率が詳細に印字されたレシートの方が使途が明確であり、インボイス制度の要件を満たす上でも有用な場合があります。また「領収証」という表記も存在しますが、ビジネス実務上は「領収書」と同義であり、効力や保管ルールに一切の違いはありません。
領収証との違い
「領収書」と「領収証」は、ビジネスの実務においてほぼ同義語として扱われます。どちらも金銭を受け取った証明書であり、税務上の効力や保管ルールに違いはありません。
言葉の成り立ちとして、「書」は書類全体を指し、「証」は証拠という意味合いが強いという微細なニュアンスの違いが存在します。そのため、銀行や証券会社などの金融機関、あるいは公的な手続きにおいては「領収証」という表記が使われる傾向がありますが、一般的な商取引や経費精算においては、名称がどちらであっても全く問題ありません。
領収書の書き方
領収書は経費精算や税務申告の証拠となる重要書類であるため、正確な記載が求められます。記入漏れや誤りがあると、税務調査で経費として認められないリスクが生じたり、不備のある領収書を渡すことは取引先からの信用の低下につながります。
タイトルと記入例
日付の書き方
日付欄には、実際に金銭の受け渡しが行われた年月日を記入します。銀行振込の場合は入金日を記載するのが一般的です。日付が空欄のままだと、いつの経費か特定できず、証拠能力が著しく低下するため、必ず記入します。元号と西暦のどちらを使用しても問題はありませんが、書類全体で統一することが望ましいです。ただし、「R6」などの略語は避け、「令和6年」と正式名称で記載するほうが、後から数字を書き足されるなどの改ざんリスクや誤読トラブルを防げます。
金額の書き方
金額は改ざんを防ぐためのルールに従って記入する必要があります。数字の先頭には「¥」や「金」を、末尾には「-(ハイフン)」や「※」、「也」などを記入し、数字を前後に書き足せないようにします。3桁ごとにカンマ(,)を入れることも重要です。手書きの場合、訂正印なしでの修正は認められないため、書き損じた場合は新しい用紙に書き直します。
但し書きの書き方
但し書きは、支払いの内容を具体的に示す重要な項目です。「お品代」という表記は使途が不明瞭とみなされ、税務調査で指摘される原因となります。「飲食代として」「文具代として」「書籍代として」など、第三者が見ても何を購入したか分かるように記載します。複数の品目を同時に購入した場合は、代表的な品目を書き、「〇〇他」とするか、納品書やレシートを添付して内容を補足します。インボイスとして発行する場合、軽減税率対象品目があるかどうかも含め、正確な内容を示すことが求められます。
収入印紙の貼り方
受取金額が税抜5万円以上の紙の領収書には、収入印紙を貼り付ける必要があります。(※)これは印紙税法に基づく納税義務であり、貼り忘れると本来の税額の3倍にあたる過怠税が課される可能性があります。印紙の額面は領収金額によって異なりますが、100万円以下であれば一般的に200円の印紙を使用します。印紙を貼った後は、必ず消印を押します。これは印紙の再利用を防ぐための措置であり、領収書の台紙と印紙にまたがるように押印します。印鑑がない場合は署名でも代用可能です。なお、クレジットカード決済や電子領収書の場合は、印紙税の対象外となるため貼付は不要です。
※ 費税額が区分記載されている場合に限り、税抜金額で判定できる
インボイス対応「レシート」が推奨されるワケ

インボイス制度の導入により、経理実務では手書きの領収書よりも、レジから出力されるレシートが推奨される傾向にあります。手書きの領収書は記載項目に漏れが生じやすく、インボイスとしての要件を満たさないリスクが高いためです。機械的に印字されるレシートであれば、必要な情報が自動的に網羅され、経理処理の効率と正確性が保たれます。
インボイスに必要な6つの記載項目
適格請求書(インボイス)として認められるためには、消費税法で定められた以下の6項目すべてが記載されている必要があります。
①発行事業者の氏名または名称および登録番号(Tから始まる番号)
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)および適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
※小売業や飲食店などが発行する「適格簡易請求書」では、6の宛名は省略可能
これらの項目をすべて手書きで対応すると、計算ミスや記載漏れが発生する可能性がありますが、レシートであれば、正確に印字されるため、インボイスとしての信頼性が確実に担保されます。
収入印紙が不要になるケース(クレジット・電子決済)
領収書の金額が5万円以上でも、「クレジットカード払い」や「キャッシュレス決済」を利用した場合は、収入印紙が不要になるケースがあります。印紙税は「金銭の受取書」に対して課税されるため、現金の受け渡しが発生しない信用取引には課税されません。ただし、領収書に「クレジットカード利用」や「電子マネー決済」と明記することが条件です。また、電子データとして発行される「電子領収書」も印紙税の対象外です。PDFでメール送付した場合や、ウェブサイトからダウンロードする形式であれば、金額に関わらず印紙は不要です。
領収書の保管方法
領収書の保管は、法人税法や所得税法により義務付けられており、紛失すると経費として認められないリスクがあります。2024年1月からの電子帳簿保存法の完全義務化に伴い、受け取った形式によって適切な管理方法が異なります。
紙の場合
紙で受け取った領収書は、原則として紙のまま保管します。法人の場合、原則7年間(赤字決算で欠損金の繰越控除を受ける場合は10年間)、個人事業主は原則として7年間(青色)と5年間(白色)の保存義務があります。レシートは経年劣化で文字が消える恐れがあるため、長期保存には向きません。印字が消える前にコピーをとるか、スキャンして電子データとして保存する「スキャナ保存」の活用を検討してください。保管の実務では、月別や取引先別に整理する方法が一般的です。例えば、A4の台紙に日付順に下から貼り付けたり、月ごとの封筒にまとめて入れたりして管理します。税務調査が入った際、調査官は「いつ・どこで・何に使ったか」を確認します。このとき、整理されていないと心証が悪くなるだけでなく、調査期間が長引く原因にもなります。
電子領収書の場合
メール添付のPDFやウェブサイトからダウンロードした電子領収書は、データのまま保存する必要があります。電子帳簿保存法の改正により、電子取引のデータを紙に出力して保存することは、原則として税務上の正式な保存方法とは認められなくなりました。必ず真実性と可視性の要件を満たした状態で、ハードディスクやクラウドストレージに保存しなければなりません。具体的には、訂正削除ができないシステムを利用するか、事務処理規程を定めて運用します。また、税務署員が指定した条件でデータを探せるよう、検索機能を確保することも必須です。「日付・金額・取引先」で検索できるよう、ファイル名を「20251031_11000_株式会社〇〇」のように規則的に変更するか、検索機能付きの経費精算システムやクラウド会計ソフトにアップロードして管理しましょう。
領収書に関するよくある質問

領収書の再発行は可能か
原則として、店舗や事業者に領収書の再発行義務はありません。これは、二重発行による経費の二重計上や、不正使用を防ぐためです。紛失した場合であっても責任は受領側にあるため、多くの店舗では再発行を断られるケースが一般的です。
宛名や但し書きに関する疑問
宛名を「上様」としたり、空欄にしたりすることは避けるべきです。インボイス制度において、小売業や飲食店などが発行する「簡易インボイス」であれば宛名は不要ですが、原則的なインボイスでは受領者の氏名・名称の記載が必須です。
但し書きについても、「お品代」という曖昧な表現は推奨されません。何に対する支払いかが不明確で、消費税の軽減税率(8%)と標準税率(10%)のどちらが適用されるか判断できないからです。「飲食代」「文具代」「書籍代」など、具体的な品目を記載することで、経費としての正当性を証明できます。
クレジットカード利用時の領収書の扱い
クレジットカード払いの場合、店舗に領収書の発行義務はありません。カード決済は信用取引であり、その場での金銭の授受が存在しないためです。一般的には、カード会社から発行される利用明細書が支払いの証明となりまが、インボイス制度への対応として仕入税額控除を受けるには、利用明細書だけでは不十分な場合があり、店舗が発行するレシート等の保存が必要です。
店舗によっては、慣習として領収書を発行してくれる場合があります。この際、領収書には「クレジットカード利用」と明記され、5万円以上であっても収入印紙は貼付されません。経費精算時には、店舗発行のレシート(インボイス)とカード利用明細書をセットで保管しておくと、内容の証明がより確実になります。
まとめ:領収書の書き方と管理法を理解しよう

この記事では、領収書の正しい書き方からインボイス制度への対応、保管ルールまでを解説しました。
企業の税務コンプライアンスを守り、対外的な信用を維持するための重要な証拠書類である領収書。特にインボイス制度や電子帳簿保存法の導入により、記載項目や管理方法は以前よりも厳格化しています。正しい知識を持って取り扱うことが、経理業務の基本であり、リスク回避の第一歩となります。
改めて重要なポイントは下記です。
- 正確な記載を徹底する:日付・金額・但し書き・宛名を漏れなく記入し、改ざん防止措置をとる。
- インボイスはレシートが便利:必要な6項目が自動印字されるレシートは、手書きよりもミスが少なく推奨される。
- 保管方法を使い分ける:紙の領収書は紙で、電子データはデータのまま保存する(電帳法対応)。
- 収入印紙のルールを守る:5万円以上の紙の領収書には印紙が必要(クレジット・電子決済は不要)。
これらを理解し、日々の業務で実践することで、税務調査への不安を解消し、スムーズな経理処理が可能になります。また、紙の管理に負担を感じる場合は、電子領収書の発行や経費精算システムの導入など、デジタル化による業務効率化を検討してみてはいかがでしょうか。
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