コラム
2025.12.24
レジ操作マニュアルの決定版!基本の手順からエラー対応・締め作業まで
- 基礎情報
店舗運営において、お客さまと最後に接する重要な場所、それが「レジ」です。
「レジ打ちは単純作業」と思われがちですが、実はその操作一つで店舗の信頼やお客さまの満足度が大きく変わります。正確な会計はもちろん、スピーディーな処理、丁寧な金銭授受、そして不測のトラブルへの対応力など、求められるスキルは多岐にわたります。
「新人にどう教えればいいかわからない」 「レジの違算(過不足)が減らない」 「操作ミスでお客さまを待たせてしまうことが多い」
このような課題は、多くの店舗が抱えています。
本記事では、レジ操作の基本となる3つのステップから、実践的な機能の使い方、決済方法別の対応、そしてよくあるトラブルの対処法までを体系的に解説します。これを読めば、レジ業務の全体像がつかめ、明日からのオペレーションに自信が持てるようになるはずです。
レジ操作マニュアルの基本!会計業務の3ステップ
レジ業務の基本フローは、どのような機種であっても「商品の登録」「金額の授受」「決済完了」の3つのステップに集約されます。新人スタッフへの教育においても、まずはこの3ステップを重点的に教えることが効果的です。全体の流れを把握することで、個々の操作の意味を理解しやすくなり、人的ミスの防止にもつながります。
ステップ1:商品のスキャン(バーコード読み取り・手入力)
会計業務の最初は、お客さまが購入する商品をレジに登録する作業です。基本的には、商品についているバーコードをスキャナーで読み取ります。バーコードリーダーを商品のJANコード(バーコード部分)に対し、垂直に近づけるのがコツです。
読み取り時は、必ず「ピッ」という電子音と画面表示を確認してください。音が鳴っても画面に反映されていない場合や、二重に登録されてしまうケースがあるためです。確実な登録を行うことで、在庫管理のズレや請求金額の誤りを防げます。
バーコードがない商品や、汚損して読み取れない場合は手入力を行います。商品に記載されている番号を入力するか、タッチパネル上の「部門キー(野菜、果物など)」を選択して登録します。手入力は打ち間違いが起きやすいため、画面上の商品名と価格をその都度確認することが重要です。
ステップ2:小計確認とお預かり金の入力
すべての商品をスキャンし終えたら、「小計」キーを押して合計金額を確定させます。画面に表示された合計金額を読み上げ、お客さまに支払い金額を伝えます。はっきりと金額を伝えることで、お客さまとの認識齟齬を防ぎます。
次にお客さまから現金を受け取り、その金額を正確にレジに入力します。この際、受け取った紙幣や硬貨はすぐにキャッシュドロア(金銭箱)にしまわず、一度レジの上のトレイなどに置きます。これは入力間違いやお釣りの渡し間違いがあった際に、預かった金額を確認できるようにするためです。
高額紙幣を受け取った場合は、特に注意が必要です。「一万円入ります」と声に出して確認する店舗も多くあります。預かり金の入力ミスは、レジ締めの際の過不足(違算)の大きな原因となるため、指差し確認をするなど慎重な操作が求められます。
ステップ3:決済完了・レシートお渡し(金銭授受)
預かり金を入力した後、「現計」または「預かり」キーを押すと決済が完了し、お釣りの金額が表示されます。キャッシュドロアが自動で開くので、画面に表示されたお釣りを正確に取り出します。このとき、紙幣と硬貨を分けて数え、間違いがないか最終確認を行います。
お釣りとレシートをお客さまに渡す際は、丁寧な動作を心がけます。先にレシートとお札を渡し、その後に小銭を渡すのが一般的です。お札の上に小銭を乗せると滑り落ちやすいため、受け取りやすい渡し方を工夫します。キャッシュレス決済の場合も、決済完了画面を確認してからレシートを渡します。
最後に「ありがとうございました」と感謝の言葉を添えて見送ります。商品が入ったカゴや袋をお客さまが受け取りやすい位置に移動させるなどの配慮も大切です。正確な金銭授受と丁寧な対応が、店舗の信頼感を高めます。
【実践編】よく使うレジ機能と操作手順

基本的な会計業務以外にも、レジには店舗運営に欠かせない重要な機能が多数備わっています。これらを適切に使いこなすことで、正確な売上管理や円滑なお客さま対応が可能になります。特に出退勤時の処理や、イレギュラーな会計操作は頻度が高いため、優先して覚えるべき項目です。
出勤時の「レジ開設」と退勤時の「レジ締め(精算)」
業務の開始と終了には、正確な現金管理が求められます。出勤時の「レジ開設」では、釣銭準備金(つり銭として用意しておく現金)をキャッシュドロアにセットします。この際、金種ごとの枚数を必ず数え、前日の精算内容と差異がないか確認します。準備金の額が間違っていると、その日の売上計算すべてに狂いが生じるため、慎重な確認作業が必要です。
退勤時や閉店後に行う「レジ締め(精算)」は、その日の売上を確定させる重要な作業です。レジ機で「精算」操作を行い、売上レポートを出力します。その後、ドロア内の現金を数え、レジ上の理論有高(データ上の売上)と実際の現金有高を照合します。差異(違算)が発生している場合は、ジャーナル(取引記録)を確認して原因を特定しなければなりません。
値引き・割引シールの処理方法(%引き・金額引き)
見切り品やセール品などで貼られる値引きシールには、「金額引き(例:50円引)」と「割引(例:20%引)」の2種類があります。これらはレジ操作において明確に区別して処理する必要があります。
| 処理タイプ | シール表記例 | レジ操作キー | 入力例(100円の商品) |
| 金額引き | 「50円引」「半額」※ | 値引きキー | 値引 → 50 = 50円 |
| 割引(%) | 「20%引」「1割引」 | 割引(%)キー | 割引 → 20 = 80円 |
操作手順としては、まず対象商品のバーコードをスキャンします。その後、該当するキーを押し、シールの数値を入力します。この操作を間違えると、お客さまへの請求金額だけでなく、店舗の粗利管理にも影響が出るため注意が必要です。
領収証の発行手順(宛名入力・但し書き)
ビジネス利用のお客さまから、レシートではなく領収証の発行を求められることがあります。最近のレジは「領収証発行」ボタン一つで印字できる機種が増えています。
発行時は、以下の5項目の記載が必須です。不備があると経費として認められない場合があるため注意しましょう。
・日付:発行日が入っているか確認
・宛名:正式名称を記載(「上様」は避けるのが無難)
・金額:税込金額を正確に記載
・但し書き:内容を具体的に(例:「飲食代として」「文具代として」)
・発行者:店舗名、住所、電話番号、(インボイス登録番号)
宛名や但し書きは、お客さまの希望を聞いて正確に入力、または手書きで記入します。最後にレシート(明細)と領収証をホチキス留めするなど、二重発行にならないよう配慮して渡します。
返品・返金処理の手順とレシートの扱い
購入済みの商品を返品したいという申し出があった場合、まずは必ずレシートの提示をお願いします。レシートで購入日時、店舗、商品、決済方法を確認するためです。レジ操作では「返品モード」や「取消処理」を使用し、該当の取引データをマイナス処理します。これにより、売上データと在庫数が正確な状態に戻ります。
クレジットカードや電子マネーで決済されていた場合、決済端末側での取消操作も必要になります。現金で返金する場合は、返金額をお渡しした後、必ず受領の署名をお客さまからいただきます。返品処理後のレシートは、店舗控えとして保管するルールになっていることが多いです。不正防止のため、返品理由は具体的に記録に残しておきます。
決済方法別!対応時のポイント

近年、キャッシュレス決済の普及により、レジ業務で取り扱う決済手段は多様化しています。現金だけでなく、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、お客さまが希望する支払い方法はさまざまです。
決済方法ごとの特徴を以下の表にまとめました。
| 決済方法 | 読み取り・対応 | 注意点・ポイント |
| 現金 | 手動ドロア / 自動釣銭機 | お預かり金額の入力ミス、金銭授受の確認(指差し・声出し)を徹底する。 |
| クレジットカード | ICチップ / 磁気 / タッチ | 暗証番号やサインが必要な場合がある。タッチ決済の可否はカード券面のマークで判断。 |
| 電子マネー | タッチ(FeliCaなど) | 交通系(Suica等)か流通系(iD、Edy等)か、種類をお客さまに必ず確認する。 |
| QRコード | バーコード読取(ストア/ユーザー) | 決済完了画面が出るまで処理を止めない。電波状況で決済できない場合もある。 |
決済方法ごとに端末の操作や対応フローが異なるため、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが不可欠です。スムーズな会計でお客さまをお待たせしないよう、各手順をマスターしましょう。
現金決済(自動釣銭機と手動ドロアの違い)
現金決済の対応は、レジの機種によって手順が大きく異なります。手動のキャッシュドロア(ガチャレジなど)を使用する場合、スタッフ自身がお預かり金を数え、お釣りを計算して渡します。この方式では、金銭授受の際の数え間違いが違算の主な原因となるため、声出し確認と指差し確認が必須です。
一方、自動釣銭機(自動精算機)は、現金を投入すると機械が自動で計算し、正確なお釣りを払い出します。人的ミスを大幅に減らせる点がメリットですが、機械任せにしすぎるのは禁物です。紙幣の詰まりや、汚れた硬貨の読み取りエラーが発生することもあるため、画面表示とお釣りの放出を最後まで見届ける必要があります。
クレジットカード決済(IC・磁気・タッチの使い分け)
クレジットカード決済は、カードの仕様によって「IC」「磁気」「タッチ」の3つの読み取り方法を使い分けます。現在はセキュリティの高いICチップ付きカードが主流で、決済端末の差込口にカードを挿入し、暗証番号を入力してもらいます。ICチップがない古いカードの場合は、側面の溝にスライドさせる磁気読み取りを行い、サインをいただきます。
近年増加している「タッチ決済(コンタクトレス決済)」は、端末の読み取り部にカードをかざすだけで完了します。スピーディーですが、一定金額を超えると暗証番号やサインが必要になる場合があります。お客さまがどの方法で支払うか迷っているときは、カード券面のマーク(ICチップや波形のタッチ決済マーク)を確認し、適切な操作を案内します。
電子マネー・QRコード決済(読み取りの基本)
交通系ICやiDなどの電子マネーは、端末にかざすだけで決済が完了します。操作時は、レジ画面で正しい決済ブランドを選択することが最も重要です。お客さまが「カードで」と言った場合でも、クレジットカードではなく電子マネーを指していることがあるため、必ず「交通系ですか?クレジットですか?」と確認を行います。
PayPayや楽天ペイなどのQRコード決済には、2種類の方式があります。
・ストアスキャン方式: お客さまがスマホに表示したバーコードを、店舗側がスキャナーで読み取る(チェーン店で主流)。
・ユーザースキャン方式: 店舗のQRコードをお客さまが読み取り、金額を入力する(個人店で多い)。
どちらの方式でも、決済完了画面を確認するか、レジから「承認されました」というレシートが出るまで処理を中断しないよう注意します。
よくあるエラーとトラブル対処法

レジ業務に慣れてきても、機械のトラブルや操作ミスは突然発生します。エラーが起きた際、最も重要なのは「慌てずに状況を確認すること」と「お客さまへ状況を伝えること」です。
以下に、頻発するトラブルとその対応策をまとめた「トラブル対応早見表」を掲載します。
| トラブル状況 | まず行うこと | 具体的な解決策・対応 |
| バーコードが読めない | 汚れやシワを伸ばして再試行 | 数回試してダメなら、速やかに「JANコード手入力」を行う。 |
| 二重登録・個数ミス | お客さまに謝罪し、操作中断 | 直後なら「訂正/取消」、確定後なら「指定訂正(赤伝)」で修正する。 |
| レシート用紙切れ | 「用紙交換します」と伝える | ピンクの線が見えたら交換。用紙の表裏(向き)に注意してセット。 |
| レジがフリーズ | 画面を触らず数秒待つ | 復旧しない場合、お客さまに状況を説明し、再起動するか管理者を呼ぶ。 |
事前に解決策を知っておくことで、落ち着いて対応できるようになります。
バーコードが読み取れない時の「JANコード手入力」
商品のバーコードが汚れていたり、冷凍食品の袋が結露していたりすると、スキャナーで読み取れない場合があります。何度か角度を変えても反応しないときは、速やかに「JANコード(バーコード下の数字)」の手入力に切り替えます。無理にスキャンしようと時間をかけるよりも、手入力の方が結果的に早いケースが多いためです。
具体的な手順は、レジの数字キーを使って、バーコード下に記載されている13桁(または8桁)の数字をそのまま入力し、「登録」ボタンを押します。この際、1桁でも間違えると「該当商品なし」のエラーになります。数字が小さく読みづらい場合もあるため、指でなぞりながら正確に入力することがコツです。
打ち間違い・個数ミスの「訂正・取消」操作
商品を2回スキャンしてしまった、あるいは個数を間違えて入力したというミスは日常的に起こります。直前の操作を消したい場合は「訂正(または取消)」キーを1回押すだけで削除できます。この「直前のミス」に即座に気づけるかどうかが、スムーズな会計の分かれ目です。
すでにいくつか商品を登録した後に、過去の入力ミスに気づいた場合は「指定訂正」という操作を行います。画面上のリストから間違った商品を選択し、取消操作を行います。機種によっては「赤伝(あかでん)」処理と呼ばれることもあります。大量の訂正が必要な場合は、一度「取引中止」をして最初から打ち直す方が、ミスが重ならず確実な場合もあります。
レシート切れ(ロール紙交換)の手順
レシート用紙の側面にピンク色のラインが出てきたら、ロール紙の交換時期です。会計の途中で紙切れを起こすと業務がストップしてしまうため、ラインが見えた時点でお客さまの切れ目を狙って交換します。交換手順は簡単ですが、焦ると「紙の向き(裏表)」を間違えやすいため注意が必要です。
新しいロール紙をセットする際は、印字面が正しい方向(通常は外側)に向いているか必ず確認します。逆向きにセットすると白紙で排出されてしまいます。カバーを閉じた後、テスト印字や紙送りをし、正常にカットされるかを確認してから業務を再開します。お待たせしているお客さまには「用紙交換のため少々お待ちください」と一言添えるのがマナーです。
レジがフリーズした時の基本対応
レジが操作を受け付けなくなる「フリーズ」は、最も焦るトラブルの一つです。まずはむやみにボタンを連打せず、数秒間待機します。クラウド型レジ(タブレットレジ)の場合は、Wi-Fiの接続状況を確認してください。通信が不安定で処理が止まっているだけの可能性があります。
それでも動かない場合は、再起動(電源のオン・オフ)が必要です。ただし、再起動には数分かかることがあります。その際は、お客さまに正直に「機械の不具合で再起動が必要です」と伝え、隣のレジへ誘導するか、復旧までお待ちいただくかを確認します。自己判断で解決しようとせず、速やかに店長や管理者を呼ぶ判断も重要です。
レジ操作をスムーズにする「お札の数え方」

レジ業務のスピードと品質を左右するのは、機械操作だけではありません。商品の形状に合わせた適切な「カゴ詰め(袋詰め)」と、正確な「金銭授受」のスキルが不可欠です。これらを習得することで、お客さまを待たせる時間が減り、クレーム防止にもつながります。ここでは、ベテランスタッフが実践している効率的なテクニックを紹介します。
お札を素早く正確に数えるテクニック
お札を数える際は、スピードよりも「お客さまに見えるように数える」ことが最も重要です。これは「渡した金額と違う」といった金銭トラブルを防ぐためです。お預かりしたお札はすぐにドロアに入れず、一度お客さまの目の前で一枚ずつ数えながら確認します。「一万円お預かりします」と声に出して数えることで、双方の認識を一致させます。
お釣りを渡す際も同様です。お札の向き(肖像画の頭の向き)を揃え、扇状に広げて見せるか、一枚ずつ数えてトレーに置きます。指先を湿らせるスポンジ(海綿)を適切に使い、お札が重なっていないか指の感触で確かめる習慣をつけましょう。慣れないうちは、机の上に並べるようにして数えると、間違いがなく確実です。
まとめ:操作手順と基本動作を覚えればレジは怖くない
本記事では、レジ操作の基本手順から、実践的な機能、トラブル対処法までを解説しました。
重要なポイントをおさらいします。
・基本の3ステップ(スキャン・小計・決済)を確実にこなす
・エラー発生時は焦らず、まずお客さまに状況を伝える
・現金やお釣りの確認は、指差しと声出しでミスを防ぐ
・丁寧なカゴ詰めと挨拶が、店舗の好感度を上げる
レジ業務は覚えることが多く、最初は緊張するものです。しかし、一つひとつの操作には必ず意味があり、基本を忠実に守ることで大きなミスは防げます。スピードは経験とともに自然と身についていきます。まずは「正確さ」と「笑顔」を意識して、落ち着いてレジに立つことから始めましょう。
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