顧客インタビュー

株式会社Act community

創業9年で直営5店舗、FC27店舗を展開するアクトコミュニティの業態開発とダイニー活用法とは?

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今回のインタビューは、株式会社Act communityです。新鮮な馬肉を提供する「たてがみ」を2014年に名古屋で創業、2店舗目からFC展開を進め3年で15店舗に拡大。その後2018年にお米にこだわった焼肉業態「肉のよいち」で更にFC展開を加速。コロナ禍では名古屋の老舗鰻店のノウハウを買取り、ディナーのみの居酒屋を間借りして「昼だけうなぎ」をオープン。5,000円の味を2,000円で楽しめると行列のできる鰻屋さんになっています。2024年4月現在、直営5店舗、FC27店舗(うち海外FC1店舗)を運営中。急成長中の企業さまです。

今回は、代表取締役の柳瀬 雅斗さまにお話をお伺いしました。

肉のよいち名駅店 外観

肉のよいち名駅店 外観

【インタビュー同席者】
株式会社Act community 代表取締役 柳瀬さま
株式会社ダイニー 広報 小原、Sales 岡崎

25歳でフランチャイザーを志す。店舗展開するための業態開発

ーもともとFC展開をされるつもりでお店を始められたのでしょうか?

柳瀬さま:その通りです。元々、歳上の人と話すのが好きで15歳からバーで働いていて、経営者との繋がりが増えていく中で自分も経営者になりたいという目標が当時からありました。その時から言われてきたことが、「自営業者でなく経営者になれ」ということでした。自分の身体でなく頭を動かして、経営者としての時間の使い方がしたいと思っていました。

まずは25歳の時に自分のバーをオープンしたんですけど、やっぱり自分が動き続けないといけないし、営業時間と客数・客単価で売上の頭打ちも見えてしまっていたんです。

当時から、経済界の著名人が取り上げられる某テレビ番組を見てイノベーションを作ってきた方々の話を学び続けていたのですが、自分もどうやったら出られる人間になるだろうかと考えた時に、ただお金儲けじゃなくて、社会に影響を与えられるような、唯一無二な人間にならないとなと思っていました。

それで自分が動き続けなくてもお店が広がるしくみを考えていた時に辿りついたのがフランチャイズの仕組みでした。多店舗展開するには直営は難しいので、FC店舗を増やそうと決めました。

業種×売り方でマーケットを取る

柳瀬さま:それで、フランチャイズについていろいろ調べている中で、競合が少なくて差別化できる業態にしようと考えて、馬肉のお店を出しました。

当時、食品衛生法の改正で生レバーが出せなくなった時期で、レバ刺し難民、ユッケ難民がメディアに取り上げられていたんです。そこで、堂々と生肉を出せるのが馬肉だったので、生肉の文化は絶対にあると思って馬肉に決めました。

直営店が安定したら、次はFC店の募集です。売上をしっかり公表して、行列ができている様子や満席情報を常に発信しつつ、「生肉の文化を一緒に広げませんか」とコンセプトを伝えました。すると知り合い伝いに広まり、3年でFC店舗が15店舗になりました。

ー3年で15店舗の勢いは凄いですね。その後も拡大を続けたのですか?

柳瀬さま:いいえ。1業態でFCモデルを作るだけでは会社としての柱が弱いと思っていて、最低でも3業態は欲しかったので、次の業態を作りに行きました。次は100店舗を目指す業態にしたくて、マーケットボリュームは1位が寿司、2位が焼肉で、焼肉だと1業態目の生肉も使えるので、焼肉にしようと決めました。それが「肉のよいち」です。

ただ、焼肉というビッグマーケットに行くと、競合がとんでもなく多くて大変だと分かりました。ここでいろいろ考えて、お米が主役の焼肉に目をつけました。

ABC分析するとサイドメニューの1番はごはんなのに、ごはんにこだわりまくっている焼肉屋さんが周りに無いなと。

『お米にこだわった米農家さんに会いに行くと、日本人の米離れでお米が余ってしまうからと喜んでくれる。お米も鮮度が命で、精米するとどんどんお米が酸化してしまうから精米工場とも提携して、発注されてから精米して店舗に届けるスキームを作る。浸水用の冷蔵庫を作って水分量の多い光るお米にする。お客さんは、釜で炊いた炊き立てホカホカの美味しいお米を食べることができる。そうしてみんなが喜ぶ最高の釜炊きご飯ができあがる。』

ここまでを頭の中で作り上げます。ストーリーができたら行動するだけです。ここまでやりきって差別化することが大事なんです。

飲食店は、業種×売り方の組み合わせです。マーケットを取って繁盛店になるには、この「売り方」が大事。

なので、業種関係なく、美味しい店より売り方の上手なお店にいっぱい行って、売り方の引き出しをいっぱい作ることが大事なんです。そうすると見聞が広がって、空白マーケットに気づきます。

ただ、組み合わせをどうするかは、どこまで店舗を拡大したいかによっても変わるので、目的次第です。

肉のよいち名駅店の階段に飾られているオリジナルブレンド「よいち米」の看板

展示会後の居酒屋でダイニーに出会って即連絡。ダイニーで全部叶った「やりたかったこと」

ーFC展開をする中で、ダイニーに出会ったきっかけを教えてください。

柳瀬さま:もともとモバイルオーダーを考えていて、ある日大阪の展示会で5社ぐらい話を聞いたんです。それで、一番モバイルオーダーに詳しくなった状態で、その日の帰りに行った居酒屋で偶然ダイニーを使って、「ダイニーに全部詰まってるやん!」と衝撃を受けました。

LINEのお友達とgoogle口コミの獲得を促進できるのが一番で、あとはモバイルオーダー画面に動画も入れたかったですし、全部できるのはダイニーしかないと思ってその場で店長さんに声をかけて、「担当の方を繋いでください」とお願いしました

LINEは元々活用していたのですが年間で200人ぐらいしか登録が進まなくて、アルバイトスタッフに、促進するためにオペレーションをどうすべきかと話をしてかなり頑張っていたのに、ダイニーであればLINE自動連携なので3ヶ月で10倍の2,000人ぐらいになるんですよ。

あとは、直営もフランチャイズもgoogleの口コミ数をKPIにしていて、毎月ランキングを出して、1位はディズニーペアチケットを渡すぐらい注力しているんです。お店をオープンするときは、半径3キロ圏内の飲食店のgoogle口コミ数を調べてもらい、1位が500件だったとしたら、超えるために何件口コミを取りますか、という話をします。100件の4.4点よりも、1,000件の4.4点の方が説得力があるからです。

今のお客さんは、SNSとかグルメサイトでお店を見つけて、google mapで場所と口コミを確認して決めます。だから販促だけに投資しても受け皿がないと意味がない。google口コミは集客の一部だと思っている人が多いですが、そうじゃない。google口コミは「安心」です。認知と安心の両方を組み合わせてブランディングになるんです。

google口コミを増やす施策とモバイルオーダー画面

売上を上げるためのKPIの置き方とダイニーの活用、役割分担

ーGoogle Mapの口コミ件数以外にKPIに置かれている指標はありますか?

柳瀬さま:いっぱいありますよ。ダイニーだと、リピーター率とか企画メニューの注文率とか。

お店の売上って、客数×客単価じゃないですか。客単価については、物価等が変動するのに合わせてセットメニューを作ったり、モバイルオーダー画面の配置を入れ替えて出数を調整するなどで原価率を一定にすることができるんです。

となると増やしたいのは客数。客は新規かリピーターですが、新規はリピーターが連れてくるので、結局リピーターが大事なんですよね。では、リピーターを飽きさせないためには変わり映えが必要。だからうちは商品開発を強化しているんです。

ただ、認知を広げるのも大事なので、並行してSNS部署を作っていますけどね。

ダイニー小原:なるほど、売上からロジックを立ててそれぞれKPIを置いているんですね。

柳瀬さま:はい。商品開発に関しては、焼肉のプロを雇って総料理長にして、春夏秋冬のフェアを作っています。

そうして、フェアの注文率を新規客とリピーターごとにそれぞれ出して、リピーター率も見て、フェアが当たったかどうかを数値化して、目標との差異を分析しています。

ダイニー小原:なるほど、そこでダイニーのABC分析を活用してくださっているんですね。

そこはどういうふうに役割分担されてるんですか?

柳瀬さま:弊社には商品開発、SV、SNSの部署があります。SVは、FCオーナーとも会話するので、とにかく会話が上手な人にお願いしています。出すべき数字などは決まっているし誰でもできるようにしているので、とにかく話すのが上手で、人に気に入られるコミュニケーション能力があることが大事です。

ただ、こちら側がどうして欲しい、というよりも、本人がやりたいかどうかが一番大事で、好きだからこそ仕事がうまくなると思いますね。

ダイニー小原:好きこそものの上手なれですね。どこまで自分が見てどこから任せるという線引きはどうされているんですか?

柳瀬さま:仕組みづくりは絶対に一緒にやりますが、仕組みができたら任せます。SVも、SVのスケジュールを管理するSV統括という者がいます。本来は社長が行う仕事ですが、僕は人を管理することはやらないと決めているので任せています。僕は業態開発や、そのための見聞を広げることに時間を使いたいので。もちろん一度は全部やりますが、そこで合わないことを任せるために人に投資していくんです。

ダイニー小原:そういうことだったんですね。では、メッセージ配信も任せていらっしゃるんですね。

柳瀬さま:そうです。ダイニーの活用は全部SVメンバーに任せています。

毎月の企画配信や新メニューが再来店を促し、出数にも影響が出ています。清洲店ではリピーター率を着実に伸ばし、ダイニー運用7ヶ月(2024年4月現在)でリピーター率が23%になっています。企画が来店動機となりつつも、モバイルオーダー画面でもおすすめ表示している「大将牛タン食べ比べ」は毎月売上・粗利構成比1位となっていて、看板主力メニューとして外せない商品になっています。

ステップ配信は毎月のダイニーサポートチームとのMTGで決定。特にFCの清洲店での活用が進んでいて、全店舗に成功事例とノウハウがシェアされる流れになっています。

見るべきは、コストそのものより価値。組織を強くする方法

ーダイニーのアンケートも活用いただいているとお伺いしました。

柳瀬さま:勿論毎日見ていますよ。僕は商品開発にも活かしますね。「味が濃い」とコメントで書かれたことがあって、さっぱりしたメニューを作ってみたり。

アルバイトスタッフはアンケートの結果をLINEグループで報告して、皆で改善策を考えて発信しています。

毎月アルバイトも含めた飲み会があるんですけど、その1時間前に集まって、ダイニーのアンケートを配ってどう改善しようって話し合ってもらって、終わったら「はい飲み会!」というふうに切り替えて懇親会を行ってますね。

ダイニー小原:振り返りと懇親の機会をしっかり作っていらっしゃるんですね!隅々まで徹底されていますね。

柳瀬さま:あとは、年に一回アクトアワードがあるので、そこで表彰式をしています。名古屋ドームを貸し切って運動会もしています。

ダイニー小原:名古屋ドームですか!凄いですね!

柳瀬さま:オフシーズンだと、3時間貸し切っても想像より安いです。これでアルバイトの定着率が上がるなら、人を雇うための金額と比べると全然安いものです。

毎月の飲み会も、仕事だけの話だけじゃつまらないから行うんです。何より社長が面白い、堅くないって思ってもらうのも大事で、だから僕はセルフブランディングをして面白さも演出します。「乾杯は何回しても良い」っていうのを合言葉にしたり。

ダイニー小原:ES(従業員満足度)ってどうしても優先順位が下がってしまいがちだと思いますが、本当は大事なのだと思います。

柳瀬さま:飲食店のスタッフはほとんどアルバイトなわけですから。モチベーション、定着率が上がるからQSCも上がる。だったらアルバイトを大事にしよう、社員になってもらおうということです。今年はアルバイトさんから新卒で社員になった人が3人でした。

ダイニー小原:凄いですね!全てにおいて、何が大事か本質を見られていると感じました。

柳瀬さま:店舗運営も採用もそうですけど、表面だけ見ていたらだめですよね。コストよりも価値です。

どうやったらお客さまやスタッフが喜ぶか、自分たちを選んでもらえるか、ストーリーを描き切ることが大事です。

アクトアワード(左上)、サッカー大会(左下)、運動会(右)の様子

アクトアワード(左上)、サッカー大会(左下)、運動会(右)の様子

ダイニー小原:なるほどですね。それにしても、ダイニーのことをこんなにも活用頂けていると思わなかったので嬉しいです。

柳瀬さま:こんなに価値があって、ダイニーは安すぎますよ。僕たちが使いこなしてて利益出す自信しかないので、ぜひ多くの企業さんにFC加盟して欲しいぐらいです(笑)

ダイニー小原:気になる方は、肉のよいちのHPからお問い合わせ!ですね(笑)
では最後に、今後の展望を教えてください!

柳瀬さま:先月はマレーシアに一店舗目を出し、今年の6月には初の東京進出が待っています。

5年以内に、日本で200店舗、世界で50店舗を出して、シンガポールでの上場を目指します。

左からダイニー 広報小原、Act community柳瀬さま、ダイニー sales岡崎

ダイニー小原あとがき

どうやったらうまくいくのか、全てのロジックが繋がっていて、一才の妥協なく着実に実行されていることに驚きました。柳瀬さまとお話させて頂き、目指す世界とそこまでのストーリーが既に出来上がっていて、インタビュー前から感じていた勢い、パワーの理由がよく分かりました。柳瀬さまの学びの原点は某テレビ番組と出会ってきた経営者の方々だとおっしゃっていて、日々どんな情報や考え方に触れるのか、環境の大切さを改めて感じたお時間でした。きっと、ビジネスだけでなく、人間としての在り方、徳の積み方も学ばれて来られたのだろうと感じました。”突き抜ける”先にある世界はきっと多くの人にとっての気づきや勇気、目指す背中になるのだろうなと感じていて、自分自身もそうなっていきたいと個人的にも大きな勇気を頂きました。この度のインタビューを通して、柳瀬さまの考え方、生き方が、より多くの人にとっての気づきになったらと思います。

株式会社Act communityのご紹介

社名株式会社Act community
住所愛知県名古屋市中区栄3-13-6オードヴィー栄2階
設立2016年 3月
代表柳瀬 雅斗
事業内容馬肉専門タテガミ / 昼だけうなぎ屋 / 焼肉 肉のよいち / 精肉卸事業 / FC事業
企業HPhttps://www.nikunoyoichi.co.jp/

ライターの紹介

小原 万美子

広報

小原 万美子

「人と組織の可能性が最大化する環境づくり」を軸に生きる人間。大阪教育大学卒業。学生時代は飲食店でアルバイトをし、尊敬する店長に育てられながら接客にやりがいを感じる。その後日本人1人で海外ボランティアを経験して視野が広がり、休学をしてUSJにてエンターテイナーを経験、人の心を動かす仕組みや環境を学ぶ。卒業後は教育事業会社にて広報、採用を担当。同時に個人事業主としても広報、マーケティング、デザイン等を行う。その後、日本中・老若男女に関わる環境で、人間の本質が生きる仕組みを拡げたいと、株式会社ダイニーに入社。使命に生きる喜びに溢れながら尽力中。

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