コラム
2025.12.23
飲食店のQSCとは?基本から応用まで徹底解説
- 基礎情報
QSC(品質・サービス・清潔さ)は、飲食店の基本中の基本と言われますが、実は「知っている」と「できている」の間には大きな乖離があります。
この記事では、QSCの基礎知識はもちろん、現代の飲食店に求められる「+α」の要素、そして忙しい現場でも無理なく定着させるための具体的なステップやツール活用法まで、専門的な視点でわかりやすく解説していきます。
そもそも「QSC」とはどのような指標なのでしょうか?
まずは基本の「き」から立ち返ってみましょう。QSCとは、Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔さ)の頭文字を取ったもので、飲食店経営において最も重要視される3つの柱です。
これらは単独で存在するものではなく、互いに影響し合いながら店舗の評価を形作っています。それぞれの要素がなぜ重要なのか、現場目線で深掘りしてみます。
Quality(品質)の重要性と管理
Quality(品質)は、飲食店の存在意義そのものです。
具体的には、料理の味、盛り付けの美しさ、適正な温度、そして食材の鮮度や安全性がこれに当たります。しかし、ここで重要なのは「一度おいしいものを作れば良い」ではないということです。
いつでも、誰が作っても、同じクオリティで提供される「再現性」こそが品質管理の本質です。
例えば、ベテランシェフがいる時は絶品だけど、アルバイトスタッフだけの日は味が落ちる・・・これではお客さまの信頼を損ねてしまいますよね。
レシピの標準化や、グラム単位でのマニュアル化、そして調理手順の遵守を徹底することを、軽視してはいけません。「いつ来てもこの味だ」という安心感が、顧客満足度に直結し、リピーターを生むのです。
さらに、商品開発の段階からスタッフの意見を取り入れたり、顧客アンケートで「生の声」を拾って改良を重ねたりすることも、価値あるメニュー作りには欠かせません。品質への妥協なき姿勢は、必ずお客さまに伝わります。
Service(サービス)の本質と影響
Service(サービス)は、お客さまが店舗で過ごす「時間の質」を決定づける要素です。
笑顔での挨拶、スムーズな案内、適切なタイミングでの提供、そしてトラブル時の親身な対応。これらは全て、お客さまが「また来たい」と思うか、「もう二度と来ない」と思うかの分かれ道になります。
現場でよくある悩みとして、「忙しいとどうしても笑顔が消えてしまう」というものがあります。これはスタッフ個人の資質だけの問題ではなく、オペレーションの仕組みに課題があることも多いのです。
スタッフ同士の連携(声掛け)や、混雑時の「少々お待ちくださいね」の一言など、チーム全体で空気を整える工夫が必要です。
サービス力が安定すると、店舗のファンが増えるだけでなく、実はスタッフ自身のモチベーション維持にもつながります。「ありがとう」と言われる回数が増えれば、仕事への誇りも生まれるからです。ホスピタリティやお店の雰囲気作りも、このサービスの延長線上にあります。
Cleanliness(清潔さ)が与える安心感
Cleanliness(清潔さ)は、お店の信頼性そのものです。
どれほど料理がおいしくても、サービスが良くても、テーブルがベタついていたり、トイレが汚れていたりすれば、すべてが台無しになってしまいます。
特に近年は衛生意識が高まっているため、清潔感はお客さまがお店を選ぶ際の「前提条件」となっています。
店内やキッチンの清掃はもちろんですが、意外と見落としがちなのが「ユニフォームの汚れ」や「メニューブックの手垢」などです。お客さまは無意識のうちに、こうした細部から「この店は衛生管理ができているか」を判断しています。
毎日の掃除チェックリストを作成し、担当者を明確にするなど、「仕組み」で清潔さを保つことが大切です。
清潔な環境は、お客さまのためだけではありません。働くスタッフにとっても、整理整頓された綺麗な職場は気持ちが良く、業務効率も上がります。結果として、従業員満足度の向上にも寄与するのです。
なぜ今、改めてQSCの徹底が求められているのでしょうか?

「QSCなんて当たり前だ」と思われるかもしれません。しかし、この当たり前を高いレベルで維持し続けることが、かつてないほど重要になっています。それは、顧客満足度と従業員満足度の両方を同時に高める「唯一の鍵」だからです。
品質・サービス・清潔さが徹底されているお店には、自然とお客さまが集まります。リピーターが増え、良い口コミが広がり、新規顧客を呼び込むという好循環が生まれます。
逆に、QSCがおろそかになるとどうなるでしょうか。クレームが増え、その対応に追われるスタッフは疲弊し、職場環境が悪化。結果として離職率が上がったり、サービスレベルが下がるという「負のサイクル」に陥ってしまいます。
現状を可視化し改善活動を続けることは、この負の連鎖を防ぐために必要な取り組みです。
現代の飲食店経営において、QSCは単なるマナーではなく、店舗の生き残りをかけた戦略そのものなのです。さらに競合店との差別化を図るためには、QSCに加えて「+α」の視点も必要になってきています。
飲食店経営の新スタンダード「QSSC」とは?お客さまを離さない店舗の共通点
飲食店の評価基準として古くから知られる「QSC(品質・サービス・清潔さ)」。しかし、変化の激しい現代の飲食業界において、QSCだけでは競合と差別化し、生き残ることが難しくなっています。
従来のQSCに +α の要素を加えた「QSSC」という視点が存在します。
QSSC:基本のQSCに「Speed(提供速度)」をプラス
「QSSC」とは、これまでお話してきたQSCの3要素に、S(Speed:提供速度)の頭文字を加えたものです。
・Q(Quality):品質 料理の味、鮮度、盛り付けの美しさなど、提供する商品の価値。
・S(Service):サービス 接客の質、おもてなし、ホスピタリティなど、対人での価値。
・C(Cleanliness):清潔さ 店内の清掃、衛生管理、設備の整備など、空間の質。
・S(Speed):提供速度 オーダーから提供までの速さ、会計・片付けの迅速さなど、時間の価値。
「攻め」のQ・Sと、「守り」のC・S
この分類を理解することで、店舗の課題がどこにあるのかが明確になります。
| 該当要素 | 役割・効果 | |
| 満足度を上げる指標(攻め) | Q(品質)/ S(サービス) | 「また来たい」という感動を 作り、ファンを増やす |
| 離脱を防ぐ指標(守り) | C(清潔さ)/ S(スピード) | 「もう来たくない」という 不満を抑え、離脱を防ぐ |
それぞれの役割について、具体的に見ていきましょう。
攻めの指標:お客さまの期待を超える
料理が美味しい(Quality)、接客が素晴らしい(Service)という要素は、お客さまの期待値を上回り、良い記憶として残ります。
・旬の食材を使った季節限定メニューの提案
・お客さまの好みに合わせた提案やお声がけ
・サプライズや特別感のある演出
これらは「選ばれる理由」になる強力な武器です。
守りの指標:お客さまにストレスを与えない
一方で、清潔さ(Cleanliness)の欠如、提供スピード(Speed)が遅いことは、お客さまに強いストレスを与えます。
・テーブルや床のベタつき、トイレの汚れ
・会計待ちや、人的ミスによる提供の遅れ
・呼び出しベルを押してもスタッフが来ない
これらは「二度と来ない理由」に直結します。どれだけ料理が美味しくても、この守りの指標で失点すると、リピート率は上がりません。
なぜ現代の飲食店に「Speed」が不可欠なのか
お客さまが「時間」に対してシビアになっている背景には、以下の理由があります。
・食事の時間を「楽しむ時間」と「単なる補給の時間」に使い分ける人が増え、特に後者の場合はスピードこそが最大の価値になります。忙しい現代人において、スピードは重要な指標です。
・スマートフォンを活用したオーダーシステムやキャッシュレス決済の普及により、お客さまが感じる待ち時間の許容範囲そのものが狭まっています。
ガチャレジやキャッシュドロアの操作に手間取ったり、人的ミスで会計が滞ったりすることは、それだけでお客さま満足度を下げる要因となります。用途別・店舗規模別に最適なシステムを選び、時間の費用対効果を高める工夫が求められます。
自店舗のQSCを確実に向上させる「4つのステップ」とは?

「QSCの重要性はわかったけれど、具体的に何から始めればいいの?」
そんな疑問をお持ちの方へ、着実に成果を出すための4つのステップをご紹介します。いきなり全てを完璧にしようとせず、この手順に沿って進めてみてください。
ステップ1:顧客アンケートによる現状の可視化
まずは、現状を正しく把握することから始まります。経営者や店長が「できている」と思っていても、お客さまは別の不満を持っていることがよくあるからです。
ここで有効なのが「顧客アンケート」の実施と分析です。
「料理の温度はどうだったか」「トイレは清潔だったか」「スタッフの対応は気持ちの良いものだったか」など、QSCに基づいた具体的な質問項目を用意しましょう。
最近では紙のアンケートだけでなく、LINEやQRコード(※1)を使ったデジタルアンケートも普及しています。これなら回収率も高く、集計の手間も省けます。
集まったリアルな声をグラフ化し、スタッフ全員で共有してください。客観的なデータは、チームの意識を変える最強の材料になります。
※1 『QRコード』は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
ステップ2:具体的な改善案の策定
課題が見えたら、次は「どう解決するか」をチームで話し合います。
ここで大切なのは、トップダウンで命令するのではなく、現場のスタッフと一緒に改善案を考えることです。「なぜその作業が必要なのか」を全員が理解していなければ、行動は定着しないからです。
例えば「提供が遅い」という課題に対して、「急ごう」という精神論ではなく、「ハンディの入力手順を見直そう」「ドリンク場の配置を変えよう」といった具体的なアクションプランを考えます。
そして、誰が・いつまでに・何をするかを明確にし、実践までのフローも明確にしましょう。
ステップ3:改善案の実施と定期的なレビュー
計画ができたら、いよいよ実行です。しかし、やりっぱなしでは意味がありません。必ず「振り返り(レビュー)」の機会を設けてください。
「対策を実施した結果、アンケートの評価は上がったか?」「スタッフの負担は増えていないか?」を確認します。
もし効果が出ていなければ、また別の方法を試せばいいのです。このPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回し続けることが、店舗のQSCレベルを着実に押し上げます。
業務管理システムなどを導入すれば、これらの進捗管理もスムーズに行えます。小さな成功体験を積み重ねることが、スタッフの自信にもつながります。
ステップ4:従業員満足度(ES)への配慮と向上
QSC向上において絶対に忘れてはならないのが、従業員満足度(ES)です。
不満を抱えたスタッフが、お客さまに最高のおもてなしを提供できるでしょうか? 答えはNOです。従業員が笑顔で働ける環境があって初めて、お客さまへの良いサービスが生まれます。
業務負担が偏っていないか、休憩は適切な時間取れているか、頑張りが正当に評価されているか。これらを見直すこともQSC改善に繋がります。
従業員専用のアンケートを実施したり、業務管理システムで無駄な作業を減らしたりして、「働きやすい職場」をつくりましょう。
現場が変わる!QSC向上に不可欠な「チェックシート」活用術

QSCを定着させるためには、チェックシートの活用が必須です。
では、具体的にどのような項目を設ければよいのでしょうか? 各要素ごとのポイントを具体的に見ていきましょう。
Quality(品質)を守るチェック項目の具体例
品質管理は、店舗スタッフが数値や見た目で判断できる具体的な項目を設定します。
・提供温度: スープやメイン料理は適正な温度で提供されているか。
・盛り付け: 写真マニュアル通りに盛り付けられているか(量、彩り、ソースの量)。
・提供スピード: オーダーから10分以内に提供できているか。
・食材管理: 納品時の検品(鮮度・異物)は行ったか、先入れ先出しは守られているか。
これらを毎日、あるいはシフトごとにチェックすることで、作り手による「ブレ」を防ぐことができます。
Service(サービス)を高めるチェック項目の具体例
サービスは定性的な部分が多いですが、できるだけ行動ベースでチェック項目を作ります。
・挨拶: お客さまが入店された際、作業の手を止めて目を見て挨拶できているか。
・中間バッシング: 空いたお皿はタイミングよく下げられているか。
・推奨販売: おすすめメニューの提案ができているか。
・言葉遣い: 正しい敬語や、親しみのある丁寧な言葉が使えているか。
これらは、新人教育の指標としても非常に役立ちます。定期的に店長やリーダーがチェックし、フィードバックを行う材料にしましょう。
Cleanliness(清潔さ)を維持するチェック項目の具体例
清潔さは「汚れたら掃除する」ではなく「汚れる前に掃除する(ルーティン化)」が鍵です。
・エントランス: ドアノブやガラスに指紋がついていないか。
・トイレ: ペーパーの補充、鏡の水滴、便座の裏の汚れはないか(1時間ごとのチェック)。
・卓上: カスターセット(調味料)のベタつきがないか、補充状況はどうか。
・床: ゴミが落ちていないか、油で滑らないか。
・厨房: 調理器具に汚れはないか、冷蔵庫パッキンにカビは生えていないか。
現代のQSC管理に「デジタルツール」の導入がおすすめな理由とは?
ここまで読んで、「やることが多すぎて管理しきれない・・・」と不安に感じた方もいるかもしれません。
だからこそ、現代の飲食店経営には「デジタルツール」の力が不可欠なのです。紙や口頭での管理には限界があります。QSC向上を強力にサポートする、具体的な機能とメリットをご紹介します。
【S/C向上】モバイルオーダーとCRM機能による効率化・接客力向上
モバイルオーダーシステムの導入は、Service(サービス)向上とコスト削減に大きく貢献します。お客さま自身で注文・決済を済ませることで、スタッフは注文取りや会計業務から解放され、本来注力すべき「お客さまを気遣う接客」に集中できるようになります。
さらに、CRM(顧客管理)機能と組み合わせることで、常連客の好みや来店履歴、過去の特記事項などをスタッフ間でリアルタイムに共有できます。誰が対応しても「特別な対応をしてくれている」と感じるレベルの質の高いサービスを安定して提供できるようになり、チームとしての一体感が生まれるだけでなく、人件費など管理コストの大幅な削減にもつながります。
【Q向上】キッチンディスプレイの導入による、提供タイミングの最適化
提供する料理のQuality(クオリティ)は、お店の信頼の根幹です。大前提味にこだわるのはもちろんですが、温かい料理は温かい状態で提供されるなど、温度も非常に重要です。
キッチンディスプレイを導入すれば、厨房でお客さまの注文内容をいつでも確認でき、「どのテーブルの料理をいつ作り始めれば、熱々の状態で出せるか」などが管理しやすくなります。
提供する料理のQuality(クオリティ)は、お店の信頼の根幹です。大前提味にこだわるのはもちろんですが、温かい料理は温かい状態で提供されるなど、温度も非常に重要です。
キッチンディスプレイを導入すれば、厨房でお客さまの注文内容をいつでも確認でき、「どのテーブルの料理をいつ作り始めれば、熱々の状態で出せるか」などが管理しやすくなります。
LINE連携の「アンケート」機能でお客さまの本音を集める
お客さまは、対面ではなかなか本音を言ってくれません。しかし、帰宅後にスマホでなら、率直な意見を書いてくれるものです。
そこで活用したいのが、LINE連携機能を備えたモバイルオーダーです。
注文が便利になるだけでなく、来店翌日に自動でお礼メッセージとともにアンケートを送ることまで可能になります。 「昨日の料理、とても美味しかったです!ただ、少し店内が寒かったです」 こうした貴重な意見を高い回収率で、かつタイムリーに集められるのが最大のメリットです。
モバイルオーダーの注文履歴と紐づければ、「何を頼んだお客さまがどう感じたか」まで詳細に分析できたりもします。 集まった声を改善に活かすサイクルができれば、QSCは自然と向上し、ファンが増えていくはずです。
まとめ:QSC改善が、愛される店舗への最短ルート
今回は、飲食店経営の原点であるQSC(品質・サービス・清潔さ)に加え、現代に必要なホスピタリティや価値の概念、そしてそれらを現場に定着させるための具体的なステップとツール活用についてお話ししました。
「やらなければならないこと」が多くて圧倒されそうになったかもしれません。しかし、焦る必要はありません。
まずは「お客さまアンケートをとってみる」、あるいは「トイレ掃除のチェックシートを作ってみる」といった小さな一歩から始めてみてください。
その小さな積み重ねが、必ず顧客満足度や従業員満足度の向上につながり、あなたの店舗を強く、愛されるお店へと成長させてくれるはずです。
「ダイニーモバイルオーダー」でQSC改善・売上アップをめざしませんか?
「ダイニーモバイルオーダー」は、お客さまに楽しい注文体験を提供する唯一無二のスーパーモバイルオーダーです。
・LINEの友だち登録が自動完了・喫食情報の蓄積により、お客さま一人ひとりに合わせた接客が可能
・来店翌日に自動で配信されるアンケートにより、お客さまの生の声を回収できる
などにより、QSC改善を行うことができ、結果として売上向上が見込めます。
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「自社の業態・規模に合わせた導入事例を知りたい」、「まずは相談だけしたい」という方も大歓迎です。モバイルオーダー導入に関するどんな些細な疑問でも、お気軽にご相談ください。あなたの理想とするお店づくりを、一緒に実現していきましょう。





