コラム
2025.12.25
飲食店向けセルフオーダーシステムの選び方!3つの種類の比較と失敗しない導入手順【費用・事例あり】
- 基礎情報
飲食店における深刻な人手不足が続く中、業務効率化の切り札として「セルフオーダーシステム」の導入が加速しています。かつては大手チェーン店が中心だったこのシステムも、現在ではスマートフォンの普及により、低コストで導入できるため選択肢が増えました。
しかし、一口にセルフオーダーといっても、QRコード型やタブレット型など、その種類はさまざまです。自店に合わないシステムを選んでしまうと、かえって現場が混乱したり、導入費用に見合う効果が得られなかったりするリスクもあります。本記事では、主要3タイプの徹底比較から、費用対効果の考え方、失敗しない導入手順までを詳しく解説します。
【徹底比較】セルフオーダーシステム主要3タイプの特徴と選び方
セルフオーダーシステムは、注文業務の効率化や人手不足の解消に直結する重要なツールです。店舗の規模や業態によって最適なシステムは異なります。導入後に「操作が難しくて使われない」「導入費用に見合う効果がない」といった失敗を避けるには、タイプごとの特徴を正しく理解する必要があります。
| QRコード(※1)型 | 卓上タブレット型 | 券売機・キオスク型 | |
| 初期費用 | 低い | 中〜高い | 高い |
| 向いている業態 | カフェ・居酒屋・バー | 居酒屋・焼肉・ファミレス | ラーメン・ファストフード |
| 特徴 | 省スペース・低コスト | 写真訴求が強い | 会計と注文を同時完結 |
小規模店・低コスト導入なら「QRコード型」
QRコード型は、小規模な店舗や導入コストを最小限に抑えたい場合に最適です。お客さま自身のスマートフォンを利用して注文するため、専用の注文端末を購入する必要がありません。
最大のメリットは、初期費用を大幅に削減できる点です。専用端末を1台ずつ設置せずとも、数万円から運用を開始できる場合が多いです。さらに、お客さまのスマートフォンを使用するため、機器の故障リスクやメンテナンスの手間も減らせます。
ただし、年配のお客さまが多い店舗では、スマートフォンの操作に不慣れな方へのフォローが必要になる点に注意が必要です。設備投資を抑えつつ、デジタル化を進めたい場合に適した選択肢といえます。
メリット
・端末の購入費用がかからないため費用を抑えられる
・テーブルを広く使える
・常に最新のメニュー情報を反映しやすい
デメリット
・お客さまのスマートフォンの通信環境に左右される
・バッテリー残量を気にするお客さまもいる
居酒屋・ファミリー向けの店舗には「卓上タブレット型」
居酒屋・ファミリー層には卓上タブレット型がおすすめです。常にメニューが視界に入る設計により、注文の心理的ハードルが下がります。料理の写真を大きく表示させたり、食べ頃のタイミングで「おすすめメニュー」を自動でポップアップ表示したりすることで、デザートやドリンクの注文率が20%向上した事例もあります。
一方で、全席に専用端末を設置するため、初期費用が高額になりやすい点が課題です。導入を検討する際は、追加注文による売上アップ分で端末代を回収できるか、長期的なシミュレーションを行う必要があります。
メリット
・注文操作が直感的で分かりやすく、客単価アップが見込める
・大画面のため、子連れ客に優しい
デメリット
・導入費用が高くなりやすい
・定期的な充電や清掃が必要になる
・故障が起きた際、買い替える必要がある
ファストフード・回転率重視なら「券売機・キオスク型」
回転率を最優先するファストフード店やラーメン店には、券売機・キオスク型が向いています。入店時に注文と会計を同時に済ませるオペレーションを構築できるため、料理提供までの時間を短縮し、ホール業務を極限まで削減できます。
ランチタイムの混雑が激しい店舗では、レジ待ちの列を解消し、回転数を数倍に高める効果が見込めます。
ただし、設置には一定のスペースが必要であり、大型の機器は導入費用も高額になります。ピーク時の行列をスムーズにさばき、少人数で店舗を運営したい業態には不可欠なシステムですが、場所・初期費用は確認をしましょう。
メリット
・レジ業務を完全に無人化できる
・属人的な会計ミスや不正を防止できる
デメリット
・設置スペースの確保が必要
・導入コストとメンテナンス費用が高い
選定時に必ず確認すべき「POS連携・決済機能」
どのタイプを選ぶ際も、POSレジ(販売時点情報管理)との連携と、決済機能の有無を必ず確認してください。システム間の連携が不十分だと、注文データと売上データを手動で統合する手間が発生し、人的ミスを招く原因となります。
POSレジとリアルタイムで連動していれば、在庫管理や売上分析を自動化できます。クレジットカードやQRコード決済(スマートフォン決済)がシステム内で完結するタイプもあり、会計業務の時間をさらに短縮することが可能です。業務効率化の効果を最大化させるために、既存のインフラ環境との相性を事前に検証しましょう。
セルフオーダーシステムの導入費用とランニングコスト|補助金の活用法も解説

セルフオーダーシステムの導入を検討する際、初期費用だけでなく、長期的な運用コストと得られる利益のバランスを見極めることが重要です。投資を上回るメリットがあるかを判断するために、具体的な数字を用いた費用対効果の算出が欠かせません。
初期費用以外の見えないコスト
セルフオーダーシステム導入時には、端末代やソフト利用料以外の維持費を考慮する必要があります。導入後には毎月の月額利用料や通信費、保守サポート代が継続的に発生するためです。
主なランニングコストの例
・システム月額利用料:1万円〜3万円程度
・通信費:店舗用Wi-Fi回線代
・保守費用:機器故障時の修理・交換サポート(修理・交換が発生した場合)
安定して運用するためにも、契約前にランニングコストの総額を把握しましょう。
人件費削減と損益分岐点
導入による人件費削減効果を明確にすることで、損益分岐点を予測できます。オーダー業務を自動化すれば、ホールスタッフの人数を削減できる可能性があるためです。
例えば、
・月の人件費削減額:20万円
・システムの初期費用:100万円
・投資回収期間:100万円 ÷ 20万円 = 5ヶ月
つまり、5ヶ月でシステムの初期費用を回収できるということになります。
さらに、削減できた時間を接客の質向上に充てることで、満足度の向上も期待できます。投資の回収期間を事前に算出し、無理のない計画を立てることが成功の鍵です。
活用できる補助金制度
導入費用を抑えるためには、国や自治体が提供する補助金制度を活用しましょう。IT導入補助金などの制度を利用すれば、導入コストの半分以上が補填される場合があるためです。
特に以下の枠組みが注目されています。
・IT導入補助金(インボイス枠):ソフトウェアやハードウェアが対象
・小規模事業者持続化補助金:販路開拓や業務効率化が対象
申請には期限や条件があるため、早めに最新の公募要領を確認してください。補助金を賢く利用すれば、高性能なシステムを低コストで導入できます。
売上アップにつなげるセルフオーダーシステム活用術
セルフオーダーシステムは、単なる業務効率化の道具ではありません。使い方次第で客単価の向上やリピーターの確保を実現する強力な販売促進ツールになります。
「追加注文」を誘うメニュー設計
売上を伸ばすためには、お客さまが注文したくなるメニューの設計が不可欠です。注文確定の直前にサイドメニューを提案することで、「追加注文」を促進でき、客単価アップに繋がります。
メニュー設計で意識すべき点
・人気メニューを各カテゴリーの最上部に配置
・「ご一緒にドリンクはいかがですか?」などの商品追加を促すポップアップ表示
・トッピング選択を必須項目にして単価アップ
画面上の動線を最適化すれば、スタッフが声をかけずとも客単価を向上できます。
多言語対応と写真の活用
視覚情報の充実と多言語対応は、インバウンド(訪日外国人客)対策と売上アップに直結します。言葉が通じなくても写真があれば、料理の魅力がダイレクトに伝わるためです。実際に、鮮やかな写真に差し替えるだけで、注文数が30%増加した店舗もあります。魅力的な視覚演出は、国籍を問わず食欲を刺激します。
また英語、中国語、韓国語などへの切り替え機能があれば、注文の機会損失を防ぐこともできます。
LINE連携によるリピーター獲得
LINE連携機能を活用すれば、一度来店したお客さまをリピーターへ変えられます。注文時にLINEの友だち登録を促すことで、退店後も接点を持てるからです。
活用のメリット
・顧客の注文履歴に合わせたクーポン配布が可能
・紙のポイントカードをデジタル化し、紛失を防ぐ
個々のお客さまに合わせた情報を届けることで、リピーター獲得につながります。
セルフオーダーシステム導入前の失敗事例とトラブル対策

セルフオーダーシステムの導入は多くのメリットをもたらしますが、準備不足による失敗も少なくありません。
よくある失敗と対策を以下の表に整理しました。
| トラブルの内容 | 具体的な対策 | |
| 高齢客の離脱 | 操作が分からず注文を諦める | POPでの説明、初回実演の徹底 |
| 通信障害 | 注文が通らず営業が止まる | 万が一に備えて紙メニューを常備 |
| 接客満足度の低下 | サービスが機械的だと感じられる | 空いた時間を「おもてなし」をする時間に再配分 |
トラブルを未然に防ぐためには、想定されるリスクとその対策を整理しておくことが重要です。
セルフオーダーシステム導入までの流れとスケジュール
セルフオーダーシステムの導入を検討し始めてから運用開始までは、一般的に1ヶ月から3ヶ月程度の期間が必要です。各ステップを計画的に進めましょう。
資料請求と見積もり比較(1〜2週間)
自店の業態に合うシステムを絞り込み、複数の会社に見積もりを依頼します。トータルコストとサポート体制を軸に、自店に最適なプランを慎重に選びましょう。
ネットワーク整備と機材設置(1ヶ月~1.5ヶ月)
安定したインターネット環境(Wi-Fi)の整備を行います。配線工事が必要な場合は時間がかかるため、早めのスケジュール調整を優先してください。
メニュー登録とスタッフトレーニング(1〜2週間)
商品データの登録を行い、全スタッフが操作できるまで模擬営業を数回実施します。スタッフが自信を持って操作できる状態を整えてから、本番運用を迎えましょう。
まとめ:セルフオーダーシステム導入でサービスを向上させよう

セルフオーダーシステムは、現代の飲食店が抱える人手不足を解消するための有力な手段です。タイプごとの特徴を理解し、自店に最適なシステムを選ぶことで、業務効率化と売上アップの両立がめざせます。
本記事の重要なポイントをおさらいします。
・業態に合わせてQRコード型、タブレット型、券売機型から選ぶ
・初期費用だけでなくランニングコストやサポート費用も考慮する
・導入で浮いた時間を接客の質向上に充てる
・通信障害や操作ミスに備えた事前の対策を徹底する
適切なシステム選びは、スタッフの負担軽減だけでなく、お客さまの満足度向上にも直結します。事前の準備を丁寧に行い、安定した店舗運営を実現してください。
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