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コラム

2026.05.25

【飲食店向け】インボイス2割特例終了後の対策は?2026年以降の新ルールとレジ対応を簡単解説

  • 基礎情報

「インボイス制度ってニュースでよく聞くけど、結局うちの店はどうすればいいの?」と頭を抱えていませんか。国税庁の説明は専門用語が多く、日々の営業で忙しい飲食店オーナーにとっては非常にわかりにくいものです。
この記事では、難しい税金の用語を極力省き、インボイス制度を簡単に解説します。
結論から言うと、飲食店が対応すべきポイントは以下の3つです。
・自分のお店が「インボイス発行事業者」になるか決める
・お店のレジを「簡易インボイス」に対応させる
・最新の「負担軽減措置(2割特例終了・3割特例移行)」の変更点を把握し、税負担増に備える

インボイス対応を機に、POSレジを見直して売上アップにつなげる秘訣も併せて紹介します。

【監修者情報】

安田 亮(やすだ りょう)
公認会計士・税理士・1級FP技能士

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
HP:https://www.yasuda-cpa-office.com/

インボイス制度を簡単に解説!たった1分でわかる仕組み

インボイス制度の仕組みを理解する上で、複雑な税務知識は必要ありません。
ここでは、制度の根本的なルールと、なぜこのような制度が始まったのかという背景を簡潔にお伝えします。まずは制度の全体像をサクッと把握し、お店の対策を考える土台を作りましょう。

インボイス制度を簡単に言うと「新しい領収書のルール」

インボイス制度を簡単に言うと、消費税を正しく納めるための「新しい領収書のルール」です。 これまでは、一定の事項が記載された帳簿や請求書等を保存していれば、原則として消費税の控除を受けることができ、消費税の納税額の計算において差し引く(仕入税額控除)ことができました。 しかし、これからは国が認めた「適格請求書(インボイス)」がない取引は仕入税額控除を受けられません。

インボイス制度の導入理由と背景

なぜこのような面倒な制度が始まったのでしょうか。
理由は大きく分けて、「複数税率の正確な管理」と「益税問題の解消」の2つです。
現在、消費税には8%(軽減税率)と10%の2種類が混在しています。
例えば、飲食店のテイクアウト(8%)と店内飲食(10%)では税率が異なります。誰がどの税率でいくら取引したのかを正確に把握するため、インボイスが必要になりました。
また、免税事業者の手元に残っていた消費税(益税)を、国がしっかり徴収する狙いもあります。
出典:軽減税率制度の概要|国税庁

インボイス制度で飲食店はどうなる?影響とよくある勘違い

飲食店は一般的なBtoB企業(企業間取引)とは異なり、不特定多数の一般客を相手にする商売です。そのため、インボイス制度への対応方法にも飲食店ならではの特例があります。
ここでは、飲食店への具体的な影響と、よくある勘違いについて解説します。

飲食店は「簡易インボイス(レシート)」の発行でOK!

飲食店や小売店の場合、宛名が不要な「適格簡易請求書(レシート)」の発行が認められています。わざわざお客さまの宛名を書いた正式な請求書を、毎回発行する必要はありません。一定の項目が記載されたレシートを渡すだけで、インボイスとして成立します。
実際に、手書きの領収書は人的ミスが起きやすく、レジ業務を圧迫する原因になります。インボイス対応のレジを導入すれば、必要な情報が印字されたレシートを出すだけで対応が完了します。
これにより、お会計時の混雑を回避し、スムーズな店舗運営を維持できます。

インボイス制度に登録しないと客離れ(接待利用減)の危険も?

「うちは免税事業者だから関係ない」と思うかもしれませんが、登録しないと客離れのリスクがあります。なぜならインボイスを発行できないお店は、経費で落としたいお客さまから敬遠されるからです。特に、ビジネス街の飲食店や接待利用が多いお店では、死活問題になりかねません。
例えば、サラリーマンが会社の経費で5万円の会食をしたとします。
お店からインボイスをもらえなければ、会社側で消費税の仕入税額控除に制限が生じることがあります。
結果として、「あの店はインボイスが出ないから別の店にしよう」と、来店機会を失うことになります。

インボイス制度の負担軽減措置(特例)を簡単にチェック

オフィスで働く女性。計算、データ分析、マーケティングイメージ。

インボイス制度には、事業者の負担を減らすためのさまざまな特例措置が用意されています。これらの特例を知らないと、本来払わなくていい税金まで納めることになりかねません。
ここでは、飲食店が絶対に知っておくべき2つの重要な特例について解説します。

インボイス制度「2割特例」の終了と2026年以降の新ルール

「2割特例」とは、免税事業者からインボイス発行事業者になったお店を対象に、消費税の納税額を「預かった消費税額の2割」に軽減できる制度です。2026年はインボイス制度の負担軽減措置が切り替わるターニングポイントであり、今後は以下の「新ルール」への対応が必要です。

個人事業主向けの新設ルール「3割特例」

2割特例の終了後、2027年分・2028年分の2年間に限り、個人事業主向けに「3割特例」が適用される予定です。納税額は「預かった消費税の3割」となるため、2割特例時代と比べて消費税の納税負担が単純計算で1.5倍に増える点に注意が必要です(※法人は対象外となり、原則課税か簡易課税へ移行します)。

免税事業者からの仕入れは「70%控除」へ(2026年10月〜2028年9月)

インボイス未登録の業者(免税事業者)から仕入れた際の消費税控除の割合が、2026年10月1日から現行の80%から70%に引き下げられる見込みです(2028年9月末まで)。控除できない分はそのまま自店舗のコスト増となるため、免税事業者からの仕入れが多いお店は利益を圧迫する要因になります。また、その後も段階的に控除割合は下がっていき、2031年10月以降は免税事業者からの仕入れは仕入税額控除できないこととなる予定です。
2026年10月以降は、実質的な税負担とコストの増加が始まります。「3割特例と簡易課税のどちらが有利か」を含め、今後の資金繰りへの影響を早めに税理士にシミュレーションしてもらいましょう。
出典:令和8年度税制改正の大綱|財務省

インボイス制度の「少額特例(1万円未満)」とは?

「少額特例」は、税込1万円未満の仕入れや経費について、インボイスの保存がなくても仕入税額控除できる特例です。
基準期間の課税売上高が1億円以下など、一定の条件を満たす事業者が対象となります。細々とした買い出しが多い飲食店にとっては、非常にありがたい制度です。
実際に、スーパーでの食材の買い出しや、備品の購入など、飲食店では数千円の決済が頻繁に発生します。これらの少額取引のたびにインボイスを厳格に管理するのは、現場の負担が大きすぎます。
少額特例を活用することで、帳簿付けの人的ミスを防ぎ、事務作業の時間を短縮できます。
出典:少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要|国税庁

インボイス制度への対応手順を簡単に解説(飲食店向け)

制度の仕組みがわかったら、次は具体的にお店で何をすべきかを確認しましょう。対応が遅れると、お客さまに迷惑をかけたり、経理業務がパンクしたりする恐れがあります。
明日からすぐに取り組めるように、2つのステップに分けて手順を解説します。

ステップ1:課税事業者になるか(登録するか)決める

まずは、お店を「インボイス発行事業者」として登録するかどうかを決断します。
国税庁データをもとにした調査によると、インボイス制度開始前の2023年3月末時点で登録件数は約268万件でした。その後も登録は増え続け、2024年2月末時点では約441万件に達したと報告されています。多くの企業や個人事業主がすでに制度に対応しているため、取引先や顧客の動向を踏まえて登録を検討することが重要です。
判断の基準として、お店のターゲット層が「法人(経費利用)」か「一般消費者」かを考えましょう。法人客が多いなら、インボイスが出せないと客離れに直結するため登録を強く推奨します。一方、学生や主婦など一般消費者がメインなら、急いで登録しなくても影響は少ないかもしれません。
出典:「インボイス制度」3月末の登録数は268万件 3月に個人事業主の登録が法人の2倍超に急増|株式会社東京商工リサーチ
出典:【2024年】個人事業主ら201名が回答!インボイス制度に関するアンケート調査結果|労務SEARCH

ステップ2:レジやシステムが「インボイス対応」か確認する

登録を決めたら、次はお店のレジがインボイス(適格簡易請求書)の印字に対応しているか確認します。古いキャッシュレジスター(ガチャレジ)では、税率ごとの合計金額や登録番号が印字できず、手書きの修正が必要になります。
特に国税庁が出している「1インボイスにつき端数処理は1回のみ」という厳格なルールに対応できないケースが多発しています。
帝国データバンクの2023年10月の調査によると、インボイス導入に際して7割以上の企業が「業務負担の増加」を懸念しています。レジの未対応は、スタッフの混乱やレジ待ちの行列に直結します。手作業による人的ミスを防ぐためにも、自動で端数処理ができるシステムへの入れ替えが必要です。
出典:適格請求書に記載する消費税額等の端数処理|国税庁
出典:インボイス制度に対する企業の対応状況アンケート|帝国データバンク

インボイス制度の対応と一緒に「飲食店の売上アップ」を実現する方法

インボイス対応に伴うレジの入れ替えは、古いシステムを一新し、お店の利益構造を根本から改善する絶好の機会です。
ここでは、制度対応を売上アップの転機に変える具体的な方法をご紹介します。

インボイス対応のレジ入れ替えは「業務改善」のチャンス

古いガチャレジを使い続けることは、長期的に見てお店の成長を阻害します。なぜなら、売上分析や顧客管理ができず、どんぶり勘定の経営から抜け出せないからです。
どうせレジを改修するなら、単に税制対応するだけでなく、売上も上がるPOSレジを選びましょう。
例えば最新のPOSレジなら、どの時間帯にどのメニューが売れているか、エクセルを使わずに一目でわかります。また、キャッシュドロアとの連動で、締め作業にかかる時間も大幅に短縮できます。
レジ業務を効率化して、浮いた時間を接客や新メニュー開発などの業務に投資することが可能になります。

飲食店向けPOSレジの「ダイニー」なら、インボイス対応+LINE連携でリピーター獲得を実現

「ダイニーPOSレジ」は、お客さま自身のスマートフォンで注文を完結させるスーパーモバイルオーダーと連携しているPOSレジです。インボイスの端数処理やレシート発行に完全対応しているのはもちろん、最大の特徴はLINE連携機能にあります。
注文する際に、お客さまのLINEアカウントを自動で取得します。取得した顧客データをもとに、来店履歴に合わせたメッセージ配信やクーポン配布が可能です。
単なるインボイス対応にとどまらず、追加注文の促進やリピーター増加を実現します。

インボイス制度に関するよくある質問(FAQ)

質問 Q&A

インボイス制度に関しては、お店の規模や状況によってさまざまな疑問が生まれます。
ここでは、飲食店オーナーからよく寄せられる細かい疑問を一問一答形式で簡潔に解説します。自店舗の状況と照らし合わせて、不安を解消しておきましょう。

Q. インボイス制度は個人事業主(フリーランス)の飲食店にも関係ある?

A.  はい、法人はもちろん、個人事業主で経営している飲食店にも関係があります
インボイス制度は企業規模に関係なく、消費税を納めるすべての事業者が対象となる制度です。「うちは個人経営の小さな店だから関係ない」というのは大きな勘違いです。
特に、個人事業主でこれまで消費税を納めていなかった免税事業者は、大きな決断を迫られます。
インボイス発行事業者になる(課税事業者になる)か、免税事業者のままでいるかの選択が必要です。ご自身の店舗の顧客層(接待利用が多いかなど)を分析し、慎重に判断してください。

Q. インボイス制度の登録申請はいつまでにすればいい?

A.  制度自体はすでにスタートしていますが、登録申請は今からでも可能です。
申請書を提出してから登録番号が通知されるまで、一定の審査期間がかかり、インターネットを用いたe-Taxでの申請なら約1ヶ月、書面での申請なら約1ヶ月半が目安です。
※申請の処理期間は状況によって前後します。最新の情報は国税庁HPにてご確認ください。

もちろんすべての店舗が登録必須なわけではなく、インボイスを必要とするお客様(経費利用の法人客など)が多くない場合は、当面は免税のままで様子を見るという選択もあります。
免税事業者からの転換に伴う「2割特例」や「3割特例」など、税負担を軽くする経過措置も用意されているため、今後の顧客層の動向と照らし合わせながら、必要なタイミングで登録ができるよう準備を進めておくことをおすすめします。
出典:各局(所)インボイス登録センターのご案内|国税庁

まとめ:飲食店が押さえるべきインボイス対策と2026年以降の備え

インボイス制度は複雑に見えますが、飲食店がやるべきことはシンプルです。まずは以下の3つのポイントをしっかり押さえて、スムーズに対応を進めましょう。
・自店舗の客層(接待・法人利用の有無など)を踏まえ、インボイス発行事業者に登録するか決断する
・現在のレジが「適格簡易請求書(レシート)」の印字や、厳格な端数処理に対応しているか確認する
・「2割特例」や「少額特例」などの負担軽減措置を活用し、税負担と事務作業を減らす

さらに忘れてはいけないのが、2026年の確定申告をもって「2割特例」が終了するという点です。その後は「3割特例」への移行や、免税事業者からの仕入控除割合の引き下げ(70%へ)など、実質的な税負担やコスト増が予想されます。今後の資金繰りへの影響を最小限に抑えるためにも、早めに税理士へ相談するなど、数年先を見据えた備えが不可欠です。
インボイス対応を単なる「面倒な作業」で終わらせてはいけません。これを機に古いレジの運用を見直すことは、お店を「売上アップの転機」に導く絶好のチャンスです。
制度への完全対応はもちろん、業務効率化やLINE連携によるリピーター獲得を同時に実現する最新POSレジへの移行を、ぜひご検討ください。

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監修:ダイニー編集チーム
飲食店向けDX・POS・モバイルオーダー領域の情報発信を行うダイニーのコンテンツ編集チーム。
飲食業界のトレンド、店舗運営、インボイス制度などの最新情報を調査・整理し、飲食店経営者や店舗責任者に役立つ情報を発信しています。

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