コラム
2026.05.27
飲食店の人件費削減を成功させる6つの方法!FL比率の適正化と売上アップを両立する仕組み
- 基礎情報
東京商工リサーチが発表した調査によると、飲食業倒産は1,002件と過去最多を記録しました。最低賃金の引き上げや食材費高騰が店舗経営を深刻に圧迫しています。
出典:2025年「飲食業」倒産 初の 1,000件超 食材費・人件費上昇が小規模店に大打撃|東京商工リサーチ
人手不足のなかで単にシフトを削ると、提供遅延や接客の質の低下を招き、客離れを引き起こすリスクがあります。本記事では、FL比率の適正化から現場のオペレーション改善、システム導入による抜本的な省力化まで、具体的な人件費削減策を解説します。単なるコストカットではなく、業務効率化によって接客の質を高め、売上アップにつなげる攻めの経営手法を提案します。
人件費削減の前に把握すべき「FL比率」の適正値
飲食店の利益を確保するためには、人件費単体ではなく食材費と合わせたFLコストの適正化が不可欠です。ここでは、人件費削減の指標となるFLコストの基本概念や、経営状態を正確に把握するための労働分配率、人時売上高といった重要な経営指標について解説します。
FLコストとは
FLコストとは、Food(食材)とLabor(人件)のコストを足した数値です。飲食店の経費の大部分を占めるため、この数値を正確に把握することが利益体質を作る第一歩となります。売上に対するFLコストの割合を示す「FL比率」は、一般的に55〜60%が目標とされています。食材費が高騰している現在、FL比率を60%以内に収めるためには、人件費率のコントロールがこれまで以上に重要です。例えば、食材費が35%に跳ね上がった場合、人件費を25%に抑えなければ目標を達成できません。毎月の試算表を確認し、売上に対するFLコストの割合を常に見ておく必要があります。無駄なシフト配置を減らし、食材ロスを防ぐことで、適切なFL比率を維持できます。
労働分配率と人時売上高の重要性
粗利益に対する人件費の割合である「労働分配率」は重要な指標であり、40%以下が目安とされています。
従業員1人が1時間あたりに稼ぐ「人時売上高」も、適正な人員配置の指標となります。人時売上高は「売上高÷総労働時間」で計算できます。例えば、1日の売上が10万円で総労働時間が20時間の場合、人時売上高は5,000円です。この数値を高めることが生産性向上の鍵となります。これらの数値をKPIとして設定し、毎月の推移を追うことが適正な人員配置の第一歩です。数値が悪化している場合は、シフトの見直しや業務効率化の施策が必要と判断できます。
飲食店ですぐに実践できる人件費削減アイデア

人件費を削減するためには、日々の業務フローを見直し、無駄を省くことが第一歩です。お金をかけずに現場レベルで取り組める施策として、オペレーションの改善やシフトの最適化などが挙げられます。ここでは、メニューの絞り込みによる調理工程の削減、従業員のマルチスキル化による少人数運営の実現、カット野菜などを活用した仕込み業務の外部化について具体的な方法を解説します。
オペレーションの見直しとメニューの絞り込み
出数の少ないメニューを廃止し、調理工程をシンプルにすることで、キッチンスタッフの労働時間を削減できます。食材の種類が減ることで、仕込みの手間や管理コストも大幅に下がります。例えば、100種類あったメニューを人気の60種類に絞り込むだけでも、現場の混乱は減ります。提供スピードが上がり、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
シフトの最適化とスタッフの「マルチスキル化」
時間帯ごとの売上予測に基づき、人員配置の無駄をなくすシフト管理が重要です。エクセルなどの表計算ソフトを活用し、過去のデータを分析して適切な人数を割り出します。
また、ホールとキッチンの両方を担当できる「マルチスキル化」を進めることで、ピーク時の人員不足を補い、全体のシフト人数を抑えられます。例えば、ホールスタッフに簡単なドリンク作成や盛り付けを教えることで、キッチンの負担を軽減できます。少人数でも売上を最大化できる強い組織をめざせます。
仕込み業務の外部化
カット野菜や一次加工済みの食材を導入することで、営業前の仕込みにかかる労働時間を直接的に削減できます。早朝や深夜の仕込み作業がなくなり、スタッフの負担が大幅に減ります。食材原価はわずかに上がる可能性がありますが、トータルのFLコストで見れば削減効果が高いケースがあります。自前で仕込む時とのコストを比較・試算することをおすすめします。
システム導入による抜本的な人件費削減と業務効率化

現場の努力だけでは限界がある場合、ITツールや設備の導入による抜本的な業務効率化が効果的です。ここでは、お客さま自身のスマートフォンで注文を行うモバイルオーダーや、会計業務を効率化するPOSレジ、電話対応の手間を省く予約管理システムの活用について解説します。
モバイルオーダーの活用
お客さまのスマートフォンでQRコード(※1)を読み取り、注文を完結させる仕組みがモバイルオーダーです。ホールスタッフの「注文を聞きに行く」「キッチンへ伝達する」業務が大幅に削減され、人員を最小化できます。ピーク時でも注文待ちが発生せず、現場の混乱を防げます。お客さまは自分のペースで注文できるため、「スタッフを呼んでも来てくれない」ことによる注文の機会損失を防ぎます。結果として、人件費を削りながら客単価の向上が期待できます。
※1 「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
POSレジの導入
モバイルオーダーと連携したPOSレジを導入することで、会計時の金額打ち間違いなどの人的ミスを防げます。注文データが自動で連動するため、レジ打ちの手間が省け、会計業務全体をスムーズに進められます。
予約管理システムによる電話対応の削減
ピーク時の電話対応は現場の負担を増大させるため、Web予約システムを導入して自動化するメリットは大きいです。接客中に電話で作業を中断されることがなくなったり、反対に接客で電話に出られず予約を取り逃がすということも減らせたりします。いつでも予約を受け付けられるため、営業時間外の予約の取りこぼしも防げます。スタッフの労力を減らしながら、売上機会を最大化できます。
人件費削減に活用できる補助金・助成金制度

システムの導入や設備投資には初期費用がかかりますが、国や自治体が提供する公的な支援制度を活用することで、負担を大幅に軽減できます。ここでは、人件費削減や業務効率化の投資に利用できる代表的な制度として、「業務改善助成金」と「デジタル化・AI導入補助金2026」の概要を解説します。
業務改善助成金
業務改善助成金は、厚生労働省が実施する中小企業向けの支援制度です。事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った場合に費用の一部が助成されます。POSレジやモバイルオーダーの導入費用も助成の対象となります。本助成金は、時給を引き上げてスタッフの定着を図りつつ、システム導入で人件費率を下げる戦略に最適です。
申請には事前の計画提出が必要なため、導入を検討する段階で早めに準備を進めることが重要です。最新の要件は厚生労働省のWebサイトで確認できます。
出典:業務改善助成金|厚生労働省
デジタル化・AI導入補助金2026
デジタル化・AI導入補助金2026は、中小企業庁が推進する制度であり、飲食店の業務効率化や売上アップに貢献するITツールの導入費用を補助します。ソフトウェアやクラウドサービスが対象です。適格請求書(インボイス)制度に対応した受発注ソフトや決済ソフトを導入する場合も活用できます。システム導入の初期費用を抑えることで、投資回収期間を大幅に短縮できます。自社の課題に合ったITツールを選定し、積極的に制度を活用することが推奨されます。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026
単なる「人員削減」は危険!顧客満足度と売上アップを両立する仕組み作り
人件費を削るためだけにシフト人数を減らすと、提供スピードの遅延や接客態度の悪化を招きます。結果的に売上が減少する負のスパイラルに陥る危険性があります。「ダイニー」を導入することで、モバイルオーダーによる作業の自動化を実現できます。削減した時間を、質の高い接客に充てられます。
さらにダイニー最大の強みとして、注文時に自動でLINE連携を行う機能があります。モバイルオーダーを通して獲得した顧客情報を、POSレジに蓄積でき、さらに分析できるのです。取得したデータを活用して来店頻度に応じたメッセージ配信を行うことで、リピーターを獲得できます。人件費を削減しながら売上アップを実現できるのです。
まとめ:人件費削減と売上アップを両立する強い店舗づくりを
この記事では、飲食店の人件費削減を成功させるための具体的な方法について解説しました。要点は以下の通りです。
・FL比率や人時売上高などの数値を把握し、適正な人員配置を行う
・メニューの絞り込みや仕込みの外部化で、現場の無駄を徹底的に省く
・モバイルオーダーやPOSレジを導入し、単純作業を自動化する
・補助金や助成金を活用して、システム導入の初期費用を抑える
・削減した時間を接客に充て、さらに顧客データを活用してリピーターを増やす
人件費率を下げながら、お客さまがまた来たくなる「強い店舗」を作りませんか?ダイニーを活用して人員不足を解消し、売上アップを実現した他店の成功事例や、具体的な削減シミュレーションをお見せすることも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
ダイニーの詳細・資料請求はこちら
監修:ダイニー編集チーム
飲食店向けDX・POS・モバイルオーダー領域の情報発信を行うダイニーのコンテンツ編集チーム。
飲食業界のトレンド、店舗運営、インボイス制度などの最新情報を調査・整理し、飲食店経営者や店舗責任者に役立つ情報を発信しています。









