コラム

2024.01.29

今後の飲食店の採用・教育について学んだ7つの大事なこと@居酒屋JAPAN2024【広報Blog vol.7】

  • Blog

こんにちは!株式会社ダイニー広報の小原です。

第7回目となる広報Blogは、池袋サンシャインシティ文化会館ビルで行われた、居酒屋JAPAN(外食ソリューションEXPO)での2講演について取り上げさせて頂きます!

2つの講演で話された共通テーマは、【これからの飲食店の採用・教育】です。

私自身、学生時代から”人の可能性を最大化する環境づくり”が軸にあり、広報以外にも講師や人事等の経験を積んできました。 そして飲食店という素晴らしい環境をより善くするためにダイニーに入り、日本飲食業経営審議会執行部にも入らせて頂いた私にとっては、このテーマは本当に興味深く、学びある時間となりました。学びをまとめながら、自分の感想や意見と共に伝えさせて頂きます!

今回取り上げる講演と登壇者のご紹介

  • 〜生きた人材づくりへ〜採用からモチベーションUPまで  これからの時代を勝ち抜く人材戦略はこうだ!
〜生きた人材づくりへ〜採用からモチベーションUPまで  これからの時代を勝ち抜く人材戦略はこうだ!
  • 令和の若手経営者が語るチーム論〜イマドキの理想の職場ってどんな?〜
令和の若手経営者が語るチーム論〜イマドキの理想の職場ってどんな?〜

飲食店の採用・教育について学んだ7つの”大事なこと”

2講演を通して登壇者の方々が語られたことを振り返り、 これからの飲食店の採用・教育に向き合う上で大事なのはこれだ!!と 伝わってきたことが7つありました。

  1. 大事なのは顕在化した課題そのものより本質的な要因・原因だ!
  2. 大事なのは、自分たちの在り方を決めることだ!
  3. 大事なのは手段でなく目的と過程の一貫性だ!
  4. 大事なのは統制・均質化より役割を生かし合うボトムアップだ!
  5. 大事なのはその場しのぎより伝え気づき合う時間と対話だ!
  6. 大事なのはヘイトより尊敬と学ぶ力だ!
  7. 大事なのは正解を探すより自分たちで正解にすることだ!

それぞれの項目においてどんなことがお話しされていたかを次にまとめていきます。

大事なのは顕在化した課題そのものより本質的な要因・原因だ!

コロナによって、それぞれ登壇者の方々が、起こった事象をどう捉えるのか、その変化に適応していくために何が大事なのかを立ち止まって考え、気づきを得ていらっしゃることがわかりました。

先行きが見えない状況の中で人が辞めていく。 そんな中で気づいたと口を揃えておっしゃっていたことが、

自分たちの「Why」を明確にし伝えることが大事で、自社のMVV・方針に着いてきてくれる人だけを敢えて残した

ということでした。

新井さんの、「教官より共感」という言葉が印象的でした。

先が見えないからこそ、とりあえず誰でも採用したり、離職したい人を無理して引き止めるよりも、「何のために飲食店をやるのか」という核への共感で集まった仲間と乗り越えるということが、一番大事なことだと気づいたのだそうです。

また、狩野さんは、「そもそもコロナ禍で飲食業界がここまで苦しい状況に陥ったのも、この業界の政治的立場の低さ、リテラシーの低さが大きな原因だ」とお話しされました。視座を引き上げ、産業を知り、日本を知り、一致団結して産業構造自体を変えていかないといけないと熱くお話しされました。

起こった事象に対して、「なぜそうなるんだろう?」と掘り下げ続けると、本当に着手すべきことや原因が見えてきます。

誰かや社会のせいで終わらせるのではなく、“やるべきことが見えるまで考える”ということが大事なのだと感じました。

飲食店の人手不足の要因

大事なのは、自分たちの在り方を決めることだ!

登壇者の方々のチームづくりをお伺いして、それぞれの方法・風土は様々だと感じました。

  • 最上の幸せは自己実現とし、自社でそれを実現するために社員が自ら目標設定し、自己実現と共にキャリアアップする。(新井さん)
  • 必要とされる人になることを目的に、その人の特徴を定義し、そこに紐づく行動と在り方を定量・定性的に評価し、人としての成長と会社の成長を紐づける。(須藤さん)
  • 従業員満足度を最大化させる環境を探求、アルバイトから社員化し、全社員が会社を愛し、共に創る仲間づくりを仕組み化する。(大崎さん)
  • 面白いお店づくりがコンセプト。一人ひとりの個性と自由を尊重し、お客様がファン化して従業員になる。(砂田さん)

方法はそれぞれあっても、全てはMVV、何のために飲食店をやる?というところから落とし込んで教育や評価、採用が行われていることが分かりました。

だからこそ、自分たちの在り方が明確になり言動に繋がることが、自社に合う人を集める求心力になるのだと感じました。

情報に溢れている世の中で、多様性が謳われ人が生き方を選べる時代だからこそ、働く人にとって身を置く環境が自分のアイデンティティにもなっていくと感じています。そのような感覚で働く場所を決める人が、今後益々増えていくのではないかと思います。

セミナーの様子

大事なのは手段でなく目的と過程の一貫性だ!

先述したように、会社としてWhyを明確にし、How、Whatまでが一貫していることが大事ですが、かつ、それが、従業員個人のWhyにも紐付き、目の前のWhatまでステップとして見えていることが大事なのだとわかりました。自分の行ったことがどう評価・成果・自己実現につながるのか。ここまで細かく落とし込まれているのだなと驚きました。

“未来が見えるかどうか”が大事だからこそ、目先のメリットデメリットだけで訴求するのではなく、目の前の”頑張る理由”がわかる、長期的なビジョンを提示できることが大事なのだと学びました。

ただ、どこまで仕組み化し明確にするかどうかは会社のフェーズによっても異なるとわかりました。

企業・個人のビジョンと過程

また、20代の転職支援もやっていた私としては、個人の”意思決定”と成功体験”をどううまくサポートしていくかが大事だと感じています。

SNSの普及で人と比較しやすい時代、かつ受動的な教育を受けてきてしまった人達にとって、「どうしたいか」自分で決めて達成すること、根拠ある経験を積み上げて一貫させていくことが、自信やキャリアの選択肢の幅につながると感じています。

目の前のYes/Noで選択してきている人と、軸のある人では、仕事に対するモチベーションも働きぶりも異なると感じますし、積み上げたものの差はどんどん大きくなります。

そんな中で、職場でもプライベートでも、身近な人の背中・生き方は大きな影響を与えると考えていて、飲食店で言うと、店長や上司の方の存在は重要なのではないかと私は感じています。

大事なのは統制・均質化より役割を生かし合うボトムアップだ!

マネジメントの方法が変わったと、登壇者の皆さんがおっしゃっていました。 個々が自ら目標設定し、強みを活かせる環境を創る。一人ひとりが自由と責任を持つ。 少子化でどんどん労働人口が減っていく中で、一人ひとりが主体的に個性と役割を発揮できることは、素晴らしいことだと私も共感しました。

須藤さんは社長は役割だよね。とお話しされ、新井さんはいい意味で社長と呼ばれなくなったとおっしゃっていました。

青木さんは、お店ごとにメニューを考えてもらうような仕組みに変えボトムアップの組織に変えたとおっしゃっていました。

狩野さんは人間の本質を引き出す学問=本学について講義し評価にもされていて、一人ひとりの本質が自然と発揮されるような環境づくりをされていることがわかりました。

組織のあり方の変化

大事なのはその場しのぎより伝え気づき合う時間だ!

スタッフのマネジメントや教育については、

型にハマりすぎない。 とにかく時間を使う。スタッフが提案する機会を作る。 コミュニケーションを大事にする。働いていて幸せか?と常日頃聴く。

そのような言葉がありました。 どんな時も共に未来を創っていけるような、信頼関係と個々の主体性を構築できるような対話の時間を作られていることがわかりました。

セミナーの様子2

大事なのはヘイトより尊敬と学ぶ力だ!

これは直接的にお話しされていたことではないですが、皆さんが、

  • 時代や人の生活は変わりゆくこと
  • 人として変わらない本質があること
  • 人や人生の多様性

を理解して、一人ひとりの生き方を尊重し、学びに変え自分たちの形を創られていることがわかりました。 手段についても、良いものは取り入れ、合わないものはやらない。常に意識はフラットでいらっしゃるなと感じます。

ただ、相手を受け入れることと、何でも許す・見過ごすこととは異なります。 守りたい人を守るためにも、そのための変革に向き合わない企業は淘汰されるべきだという意見も頂き、相手の未来を本当に想うなら伝えるべきことは大いにあると、私にもずしんと言葉が響きました。

大事なことは本質。常に目的を見失わず、社会にとって必要なことを学び伝え続けたいです。

大事なのは正解を探すより自分たちで正解にすることだ!

聞かせて頂いたお話は、方法論に閉じず、本質的で、自分たちの在り方を問いてくださるようなお話だったなと感じました。

考えることを止めず、試行錯誤を続けてきた結果、見えてきたものなのだろうと思いました。

本業副業でさまざまな業界・業種に関わらせて頂いてきましたが、何事にも原理原則はあれど画一的な成功法はないなと感じていて、日々私も、頭でっかちにならず、常に本質に向き合い、試行錯誤し続けたいと自分に伝えています。

先頭に立つ役割として、常に背中を見せ続ける登壇者の方々の姿が本当にかっこいいなと感激するとともに、私も自分の役割を全うし、会社と社会のために、これからも様々なことを学んで日々の仕事・生き方で実践していきたいと思いました。

終わりに〜VUCAな時代の私たちの役割〜

採用・教育がテーマの講演でしたが、時代・文化・人が求めることの変化や政治など、社会的背景の中にある経営・組織づくりについて、考えるべきことを問いかけて頂いたような講演でした。

本当に素敵な内容だったので、「ぜひシェアしたい!!」と今回の記事を執筆することができました。参加させて頂けたことに感謝です。

多くの飲食店に関わりサポートする役割である私たちにとって、このように学んだことや目を向けるべきことを伝えていくことも使命だと感じています。

今後、私たちの社会はVUCAな時代だと言われています。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を表します。

生活は次々と変わりゆくし、何が起こるかわからないし、何が原因か、何が正しいのかわからない。そんな時代です。

VUCAな時代

自分たちの道を切り拓く為にも、同じビジョンの下にそれぞれの役割をもつ人が集まり、技術・ツールの力を借りながら、新しい解を見い出し続けることが重要だと言われています。

そんな中で私たちダイニーは、その技術・ツールとして、飲食店が今まで感覚的にやっていたことをデータで可視化するところから始まり、何のために、何に着手するのかを明確にして、仮説検証できるようにする役割を担っています。講演を聞きながら、飲食店それぞれの歩みを強くする存在になるんだと志を改めて感じていました。

人手不足は飲食業界、日本だけの問題ではなく、これからもずっと付き合っていく課題だと考えられます。

課題が露呈した時こそ、考えるチャンス。協力するチャンス。

講演の中で、企業はボトムアップな体制へと変化してきたとありましたが、昨今、飲食業界全体がボトムアップなチームになっていく時なのだと私は感じています。 課題認識を業界全体で持ち、知識経験をシェアし、解決に向けて動いていく。そのチーム作りが食団連・各飲食団体の動きなのだと思います。

飲食業界は、人が社会を知り、本質を知ることができる場所、人が人らしく自己実現するための本当に素晴らしい環境です。

そんな環境がこれからも続き広がるように、ダイニーとしても個人としても、人や組織、市場、社会の間をつなぐハブとなれるように、引き続き尽力します!

ライターの紹介

小原 万美子

広報

小原 万美子

「人と組織の可能性が最大化する環境づくり」を軸に生きる人間。大阪教育大学卒業。学生時代は飲食店でアルバイトをし、尊敬する店長に育てられながら接客にやりがいを感じる。その後日本人1人で海外ボランティアを経験して視野が広がり、休学をしてUSJにてエンターテイナーを経験、人の心を動かす仕組みや環境を学ぶ。卒業後は教育事業会社にて広報、採用を担当。同時に個人事業主としても広報、マーケティング、デザイン等を行う。その後、日本中・老若男女に関わる環境で、人間の本質が生きる仕組みを拡げたいと、株式会社ダイニーに入社。使命に生きる喜びに溢れながら尽力中。

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