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コラム

2026.02.19

勤怠控除とは?正しい計算方法と1分単位の法的ルールを徹底解説【計算例・規定例つき】

  • 基礎情報

給与計算の担当者にとって、毎月の業務で頭を悩ませるポイントのひとつが「勤怠控除(欠勤控除)」ではないでしょうか。「遅刻や早退をした分の給与を、どのように計算して差し引けばいいのか」「1分単位で引いても法的に問題ないのか」など、判断に迷う場面は少なくありません。
勤怠控除は「働いていない時間の賃金は支払わない」という原則に基づく正当な処理ですが、計算方法や端数処理のルールを誤ると、従業員とのトラブルだけでなく、労働基準法違反のリスクも招いてしまいます。
本記事では、勤怠控除の基本ルールから、間違いやすい計算手順、就業規則への規定例までをわかりやすく解説します。正確な知識を身につけ、リスクのない円滑な労務管理をめざしましょう。

勤怠控除(欠勤控除)とは?基本ルールと「ノーワーク・ノーペイの原則」

勤怠控除とは、労働者が本来働くべき日や時間に労働しなかった場合、その時間分の賃金を給与から差し引く処理のことです。一般的に「欠勤控除」とも呼ばれますが、欠勤だけでなく遅刻や早退も対象となります。
この処理は、労働基準法に基づく「ノーワーク・ノーペイの原則」を根拠としています。企業には労働していない時間に対する賃金の支払い義務がないため、就業規則に規定を設けた上で、給与から該当分を控除します。ただし、計算方法を誤ると違法な「賃金全額払いの原則違反」となる可能性があるため、正確な理解が必要です。

働いていない時間の賃金を支払わない「ノーワーク・ノーペイの原則」

労働基準法における賃金の定義は「労働の対償」です。したがって、労働者が労働を提供していない時間については、使用者に賃金を支払う義務は発生しません。これを「ノーワーク・ノーペイの原則」と呼びます。
雇用契約は、労働者が労務を提供し、その対価として使用者が賃金を支払う契約です。労働の提供がない場合、対価である賃金も発生しないのが原則的な考え方です。民法第624条でも、労働者は労働を終えた後でなければ報酬を請求できないとされています。
具体的には、従業員が私的な理由で仕事を休んだり、遅刻したりした時間は、この原則に基づき給与カットが可能です。ただし、会社都合の休業や、有給休暇を取得した場合など、法律や就業規則で賃金の支払いが義務付けられているケースは例外となります。

勤怠控除の対象となる主なケース(欠勤・遅刻・早退・私用外出)

勤怠控除の対象となるのは、所定労働時間中に労働の実態がない時間です。実務上、主に以下の4つのケースが該当します。
・欠勤:所定労働日の全時間を勤務しなかったケース。病欠や私用欠勤が含まれます。
・遅刻:始業時刻に間に合わなかったケース。交通遅延も免除規定がなければ対象です。
・早退:終業時刻より早く退勤したケース。体調不良などによる切り上げが含まれます。
・私用外出:勤務時間中に中抜けしたケース。通院や役所の手続きなどが該当します。

なお、年次有給休暇を取得した時間は労働したものとみなされるため、勤怠控除の対象にはなりません。また、産前産後休業や育児休業など、法令で定められた休業期間の取り扱いについては、別途給付金の制度が適用されるため注意が必要です。

【結論】勤怠控除の基本計算式

勤怠控除額を算出するための基本計算式は、以下のとおり非常にシンプルです。

勤怠控除額=1時間あたりの基礎賃金×不就労時間数

まず、対象となる従業員の「1時間あたりの基礎賃金」を算出します。次に、欠勤や遅刻などで労働しなかった時間の合計(不就労時間数)を掛け合わせることで、控除すべき金額が求められます。
例えば、月給30万円、1時間あたりの賃金が1,875円の従業員が、5時間の遅刻をした場合の計算は以下のようになります。

1,875円×5時間=9,375円

この場合、給与から9,375円を控除します。計算式自体は単純ですが、重要になるのは「1時間あたりの基礎賃金」を正しく設定できているかという点です。基礎賃金の算出には、月平均所定労働時間の定義や、手当の算入可否が関わるため、規定に沿った正確な運用が求められます。

【実践】ミスを防ぐための勤怠控除の計算手順3ステップ

勤怠控除の計算ミスは、従業員との信頼関係を損なうだけでなく、労働基準署からの是正勧告につながるリスクがあります。正確な計算を行うためには、定められた手順に沿って処理を進めることが重要です。
ここでは、実務で一般的に用いられる計算手順を3つのステップに分けて解説します。給与計算システムを使用している場合でも、ロジックを理解しておくことで設定ミスを防げます。

ステップ1:月平均所定労働時間を正確に算出する

まず、1時間あたりの賃金を算出するための分母となる「月平均所定労働時間」を求めます。計算式は以下のとおりです。

(年間暦日数-年間所定休日数)×1日の所定労働時間÷12ヶ月

項目設定例
年間暦日数365日
年間所定休日数125日
1日の所定労働時間8時間

この場合、月平均所定労働時間は「160時間」となります。うるう年の場合は年間暦日数が366日になるため、就業規則の規定によっては再計算が必要です。

ステップ2:1時間あたりの賃金単価(基礎賃金)を決定する

次に、給与額をステップ1で算出した時間数で割り、1時間あたりの賃金単価を算出します。

計算式:月給(対象となる手当を含む)÷月平均所定労働時間
例:基本給30万円、職務手当2万円、月平均所定労働時間が160時間の場合
(300,000円 + 20,000円) ÷160時間 = 2,000円

この従業員の1時間あたりの賃金単価は「2,000円」です。通勤手当や家族手当など、労働の対価とは直接関係のない手当は、就業規則の定めにより除外されるケースが一般的です。

ステップ3:控除対象となる時間を集計し、金額を算出する

最後に、不就労時間の合計にステップ2で求めた単価を掛け合わせます。

計算式:単価×(欠勤時間 + 遅刻した時間)
例:単価2,000円の従業員が、1日(8時間)欠勤、2時間遅刻した場合
2,000円×(8時間 + 2時間) = 20,000円

実務上は、遅刻や早退が分単位で発生することが多いため、集計方法を事前に定めておく必要があります。特に「分単位の集計」には法的な制限があるため、注意が必要です。

注意!労働基準法違反になる「やってはいけない」控除例

勤怠控除は「働いていない分の賃金を払わない」という正当な処理ですが、ルールを間違えると労働基準法違反となります。特に企業がやってしまいがちなNG例と、法律に基づいた正しい対応を確認しましょう。

「15分単位の切り捨て」は原則違法!1分単位で計算すべき理由

遅刻や早退の時間を集計する際、「15分単位」などで切り上げて控除することは原則として違法です。労働基準法第24条の「賃金全額払いの原則」により、労働した時間分の賃金は、1分単位で全額支払う必要がある(※1)からです。
・5分の遅刻を「15分遅刻」として控除する:NG(10分間の未払いが発生)
・5分の遅刻を「0分遅刻(控除なし)」とする:OK(労働者有利なため)

※1 「1ヶ月の総労働時間」における30分未満の切り捨て・30分以上の切り上げについては、事務簡素化のための行政解釈(昭和63.3.14基発150号)として認められています。

欠勤控除のやりすぎに注意!「減給の制裁」と限度額のルール(労基法91条)

懲戒処分としての「減給の制裁」を行う場合は、労働基準法第91条による上限額を守らなければなりません。

制限の区分上限額のルール
1回の事案に対する制限平均賃金の1日分の半額まで
一賃金支払期における制限賃金総額の10分の1まで

遅刻した時間分を引くのは単なる勤怠控除ですが、それに加えて「遅刻罰金」を取る場合は上記の範囲内に収める必要があります。

控除後の給与が「最低賃金」を下回っていないかチェックが必要

勤怠控除や減給を行った結果、支給額が「最低賃金」を下回ると違法になる可能性があります。ここで注意が必要なのは、「欠勤して働かなかった時間分の給与を差し引くこと」自体は、最低賃金法違反にはならないという点です。最低賃金はあくまで「実際に労働した時間」に対して支払われるべき時給単価を定めたものだからです。
しかし、以下のケースでは意図せず最低賃金を割り込んでしまうリスクがあるため、必ず確認しましょう。

・ケース1:「減給の制裁」を適用した場合 遅刻に対するペナルティとして、不就労分(働いていない時間分)を超えて「罰金」を差し引く場合、残った支給額を実労働時間で割った時給単価が、都道府県別の最低賃金を下回ってはいけません。
・ケース2:固定残業代を含めて算出している場合 基本給を低く抑え、固定残業代(みなし残業手当)を厚くしている企業の場合、基本給から大幅な勤怠控除を行うと、実労働時間に対する単価が最低賃金ギリギリになってしまうことがあります。

特に基本給が低めに設定されている場合は、「最低賃金の対象となる賃金(基本給・諸手当) ÷ 実労働時間」で算出される時給単価が、お住まいの地域の最低賃金を下回っていないか、給与計算の最終工程で必ずチェックしましょう。

実務で迷う「控除対象の手当」と「特殊ケース」の判断基準

どの手当を控除の計算に含めるかは、就業規則の定めに従います。一般的な判断基準を整理しました。

基本給以外の手当(役職手当・住宅手当など)は控除に含めるべきか?

分類手当の例判断基準の考え方
控除対象に含める役職手当、資格手当、職務手当労働の対償としての性質が強いため
控除対象から除外通勤手当、家族手当、住宅手当生活補助や実費弁償の性質が強いため

ただし、法的拘束力があるのは「就業規則」です。自社の規定で「基本給のみを基礎とする」とあれば、それに従います。

有給休暇・慶弔休暇を取得した日の扱い

休暇の種類賃金の扱い勤怠控除の有無
年次有給休暇有給(法律で規定)控除しない
慶弔休暇(結婚・忌引)会社の規定による有給規定なら控除なし、無給規定なら控除あり
特別休暇(バースデー等)会社の規定による有給規定なら控除なし、無給規定なら控除あり

慶弔休暇を「無給」としている場合、欠勤と同様に不就労分を控除することが可能です。

台風や地震など「会社都合の休業」が発生した場合の処理

・会社都合の休業:資材不足や機械トラブルなど。平均賃金の60%以上の「休業手当」が必要。
・不可抗力の休業:台風の直撃で物理的に事業継続が不可能な場合など。支払い義務はなく控除可能。

実務上は従業員の生活保障のため、特別休暇(有給)とする柔軟な対応をとる企業も多く見られます。

トラブルを防ぐ!就業規則への「勤怠控除規定」の記載例

勤怠控除を運用するには、根拠となるルールを就業規則(賃金規程)に明記する必要があります。

なぜ就業規則への明記が必要なのか?

労働基準法第89条により「賃金の計算方法」は必ず記載しなければならない事項です。計算式や対象の手当が曖昧だと、「不当な賃金カット」としてトラブルに発展するリスクがあります。明確な根拠を示すことで、従業員の納得感も高まります。

そのまま使える!勤怠控除に関する規定のテンプレート(ひな形)

【賃金規程 記載例】
第〇条(欠勤等の取扱い)
1. 従業員が所定労働日または所定労働時間に勤務しなかった場合、その日数または時間数に相当する賃金を控除する。
2. 前項の控除対象となる事由は、欠勤、遅刻、早退、私用外出とする。

第〇条(控除額の計算方法)
1. 欠勤等の控除額は、以下の計算式により算出する。 (基本給 + 役職手当 + 資格手当)÷ 1ヶ月平均所定労働時間 × 不就労時間数
2. 1ヶ月平均所定労働時間は、毎年度末に会社が定める年間カレンダーに基づき算出する。
3. 計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。

賞与(ボーナス)や退職金の査定への響き方についての明示

毎月の給与だけでなく、賞与や退職金の算定にどう影響するかも明記しましょう。「欠勤1日につき賞与を〇%減額する」といった具体的な評価ルールを定めることで、査定時期の不満を未然に防げます。

勤怠控除の事務作業を効率化・自動化する3つの方法

煩雑な計算業務をスムーズにするための、具体的な改善策を紹介します。

ミスをなくす「計算式入りエクセルテンプレート」の活用

専用ツールがない場合でも、エクセルでテンプレート化すればミスは激減します。
・基礎賃金単価の自動算出
・端数処理(ROUNDDOWN関数など)の組み込み
・月合計時間の自動集計 これらを設定したシートに入力する運用に切り替えましょう。

勤怠管理システムと給与計算ソフトの連携による自動化

システムを連携させれば、打刻データがそのまま給与計算に反映されます。
・メリット1:転記ミスの撲滅(手入力ゼロへ)
・メリット2:最新法令への自動アップデート
・メリット3:リアルタイムでの人件費把握 コスト対効果を考えると、中長期的に最も有効な手段です。

勤怠ルール(端数処理など)の見直しと運用マニュアルの整備

「遅刻3回で欠勤1日」のような複雑な独自ルールは廃止し、「1分単位で控除」というシンプルな形に整理しましょう。また、端数処理のタイミングなどをマニュアル化することで、担当者が変わっても正確な業務を継続できます。

まとめ:正しい勤怠控除の知識で円滑な労務管理を

勤怠控除の重要ポイントを整理しました。
1. 原則は「ノーワーク・ノーペイ」:働いていない時間は1分単位で控除可能。
2. 法的上限を守る:減給の制裁や最低賃金割れには厳格なルールがある。
3. 就業規則に明記する:計算式や対象手当の範囲をルール化し、周知する。
4. 正しい計算手順の徹底:月平均所定労働時間から単価を正確に導き出す。

適正な運用は、会社の法的リスクを守るだけでなく、従業員の不信感を払拭し、公平な職場環境を作る第一歩となります。自社のルールを再点検し、必要であればシステムの導入や規定の見直しを進めてみてください。

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